中国国防省、米国の「ゼロ収量基準」見直し示唆に反論 核秩序の不確実性巡り video poster
国際的な核秩序をめぐる議論が、再び緊張感を帯びています。米国が「ゼロ収量基準」をもはや一方的には順守しないとの姿勢を示したことを受け、中国国防省は2026年2月28日、米国こそが国際的な核秩序と世界の戦略的安定に不確実性をもたらしていると主張しました。
何が起きたのか:米国の発言と中国の反発
中国側の説明によると、米国は「ゼロ収量基準(核爆発を伴う実験をしないという考え方)」を、もはや一方的には順守しないと示しました。その理由として米国は、2020年6月に中国が核爆発実験を行ったとする見方を挙げたとされています。
これに対し、中国国防省の張暁剛(Zhang Xiaogang)報道官は2月28日、そうした指摘は根拠がないとして否定しました。
中国国防省の主張:「核実験のモラトリアムを厳格に順守」
張報道官は、中国は核実験のモラトリアム(実験停止)を厳格に守っているとし、あわせて中国の核政策は防御的だと述べたとされています。
キーワード解説:「ゼロ収量基準」とは
「ゼロ収量基準」は、核兵器に関わる活動のうち、核爆発(収量=yield)を伴う実験は行わないという基準を指します。核実験をめぐる疑念や応酬は、
- 各国の抑止力に関する認識
- 相互不信の拡大
- 危機時の誤算(ミスコミュニケーション)
といった形で、戦略的安定に影響しうる論点として注目されます。
「不確実性」の争点:秩序の揺らぎはどこから来るのか
今回のやり取りの特徴は、核実験の事実関係そのものだけでなく、「誰が国際秩序の不確実性の源か」という評価をめぐる応酬になっている点です。米国は中国の核爆発実験を示唆し、中国はそれを否定したうえで、米国が不確実性を高めていると位置づけました。
今後の焦点:言葉の応酬が現実の政策にどう波及するか
今後の注目点は、今回の主張の応酬が、核政策や戦略運用の「実際の変更」に結びつくのか、それともメッセージの応酬にとどまるのかです。読者が追いかけやすい観点としては、次のようなポイントがあります。
- 米国が「ゼロ収量基準」について、どの範囲まで姿勢変更を明確化するのか
- 核実験をめぐる疑念が、相互の警戒や軍備の議論にどう影響するのか
- 戦略的安定に関する対話の枠組みが維持されるのか、見直されるのか
核をめぐる議論は、言葉の微妙な差が現実の不信や誤算を増幅させることがあります。今回の発言の応酬は、国際核秩序の「温度」を測る材料として、しばらく注視されそうです。
Reference(s):
cgtn.com








