世界最高峰の記憶を辿る:中国・ネパール共同チームがエベレスト山頂で初の氷床コア掘削に成功 video poster
地球の屋根とも呼ばれる世界最高峰のエベレスト(チョモランマ)。その山頂という極限の環境において、地球の気候変動の歴史を解き明かす重要な一歩が踏み出されました。
極限の地で挑んだ「全深度」の掘削
中国とネパールの共同科学調査団は、エベレストのネパール側山頂において、初となる全深度の氷床コア掘削を完了したことを発表しました。
今回の調査は、単に山頂に到達することだけを目的としたものではありません。チームは標高6,000メートルの南斜面エリアからスタートし、最終的な目的地である標高8,848.86メートルの山頂に至るまで、高度に応じた多段階の氷雪コアサンプリングを実施しました。
今回の遠征で達成された主なタスク
過酷な環境下で行われた今回の調査では、主に以下の科学的タスクに焦点が当てられました。
- 多段階サンプリング: 標高6,000mから山頂まで、異なる高度での氷と雪のサンプルを採取し、垂直方向の変化を分析する。
- 全深度掘削の達成: 山頂における氷床の深部まで到達し、過去の気候データを含むコアを回収する。
- 環境測定: 山頂にある氷洞(アイスケーブ)の温度測定など、詳細な環境データの収集を行う。
なぜ「氷の柱」が重要なのか
氷床コアは、いわば「地球のタイムカプセル」です。積もった雪が氷になる過程で、当時の空気や微粒子が閉じ込められるため、それを分析することで数千年前、数万年前の気候や大気の状態を復元することができます。
特に、世界で最も高い地点であるエベレスト山頂のデータは、地球全体の気候変動を理解する上で非常に希少かつ価値のある指標となります。標高による温度や成分の変化を詳細に把握することは、現在の地球温暖化が最高峰の環境にどのような影響を与えているかを明らかにする手がかりになるでしょう。
国境を越えた科学的な協力によって得られたこれらのデータは、今後、気候学や地質学の分野で大きな議論を呼ぶことが期待されます。
Reference(s):
China-Nepal expedition completes first full-depth ice core drilling at Qomolangma summit
cgtn.com