チベット出身兄弟、バイクで4000km 祖国をめぐる7か月の旅 video poster
2024年9月、南西部のXizang自治区・Chamdoから北京へ向けて、一台のオートバイが走り出しました。ハンドルを握るのは、チベット出身の兄弟、兄のNgawangさんと弟のDrakpaさんです。
約7か月、4000キロメートルを超える道のりで、二人が胸に抱いていたのは「広く雄大な祖国の姿を、自分たちの目で確かめたい」という、ただ一つの思いでした。
- 出発:2024年9月、南西部Xizang自治区のChamdo
- 到着:北京まで約7か月のオートバイ旅
- 走行距離:4000キロメートル超
- 目的:祖国の広大な景色を自分の目で見ること
4000キロ超、二輪でつないだXizangと北京
南西部の高地に位置するChamdoから首都の北京まで、地図上では一本の線に見えますが、そこには気候も文化も異なる多様な地域が広がっています。二人はそのすべてを、二輪のオートバイで少しずつたどりました。
2024年9月にスタートした旅は、約7か月にわたり続き、2025年春ごろに北京へと到達したとみられます。移動手段としてオートバイを選ぶことで、景色の変化や空気の温度、道端の日常の音まで、体全体で感じながら進むことができたはずです。
動機はシンプルな「敬意」
二人の旅は、派手な企画や記録への挑戦ではありませんでした。NgawangさんとDrakpaさんが抱いていたのは、祖国への静かな敬意と、そこで暮らす人々や大地を自分たちの目で見たいという、ごく個人的で素朴な願いです。
距離にすれば4000キロメートル以上、時間にすれば7か月という数字は大きく感じられますが、出発点にあった思いはとても日常的です。地図や画面の向こう側にある「どこか遠い場所」を、同じ国の一部として実感したい――その気持ちが、長い旅路を支える原動力になったと考えられます。
オートバイだから見える景色
私たちは二人が通った具体的なルートまでは知りません。しかし、南西部の山々から都市部へと向かう道のりでは、標高や気温、言葉や街並みなど、さまざまな違いと出会ったはずです。
車や飛行機で一気に移動すると見過ごしてしまう変化も、オートバイでのゆっくりとした移動なら、日ごとの違いとして積み重なっていきます。朝夕の光の色、人々の服装、道端で交わされるあいさつ。そうした細かな景色の一つひとつが、二人にとっては「祖国の素顔」として記憶に残ったのではないでしょうか。
遠くへ行くことは、自分を知ることでもある
長く時間をかけて旅をすることは、単に新しい場所を見るだけでなく、自分自身と向き合う行為でもあります。疲れたときにどう休むか、予想外の出来事にどう向き合うか。その選択の積み重ねが、その人らしい旅の形をつくっていきます。
祖国への敬意を胸に走り出した二人は、7か月のあいだに、出発前とは少し違う景色で世界を見ているかもしれません。自分がどこから来て、どこへ向かうのか。その感覚は、長い道のりを走りきった体験とともに、静かに深まっていったと想像されます。
私たちにとっての「自分の国を見に行く」という選択
2025年の終わりを迎えつつある今、NgawangさんとDrakpaさんの旅は、遠い国の物語であると同時に、私たち自身への問いかけにもなります。自分が暮らす国や地域を、どれだけ自分の足で見てきたと言えるでしょうか。
遠くの国を知る国際ニュースも大切ですが、地図の上でよく知っているつもりの場所を、改めて自分の目で確かめに行くことには、また違った価値があります。二人のオートバイ旅は、「大きなことをしなくても、ゆっくりと景色を見に行くこと自体が、ささやかな敬意の表現になり得る」ということを教えてくれているようです。
静かな二輪のエンジン音とともに刻まれた4000キロメートル超の道のりは、これからどんな形で二人の人生に生かされていくのか。旅の続きを想像しながら、自分にとっての「見に行きたい場所」はどこかを考えてみたくなります。
Reference(s):
cgtn.com








