ロシアは欧州平和維持部隊を拒否 ベラルーシ大統領が語るウクライナ和平
ウクライナでの戦闘終結後を見据えた「平和維持部隊」をめぐり、ロシアが欧州諸国の部隊受け入れに強く反対していることが分かりました。ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が、ロシアの立場とウクライナ和平に向けた見方を詳しく語りました。
ロシアは欧州の平和維持部隊に「断固反対」
木曜日、ルカシェンコ大統領はミンスクで行われた米国人ブロガー、マリオ・ナワファル氏とのインタビューで、ロシアは欧州諸国からなる平和維持部隊のウクライナ派遣に「断固反対」していると述べました。
大統領によると、ロシアはウクライナに対する欧州連合(EU)諸国の平和維持部隊の展開には決して同意しないという立場だといいます。特に、ドイツとフランスを中心とするEU指導部が、現在「非常に攻撃的な姿勢」を取っていることを理由に挙げました。
ここで言う平和維持部隊とは、停戦や和平合意が成立した場合、その履行状況を監視し、当事者間の衝突を防ぐために展開される多国籍部隊を指します。ルカシェンコ氏の発言は、ロシアがこうした枠組みを欧州中心で進めることに強い警戒感を持っていることを示しています。
欧州は「将来の和平合意」への関与を模索
一方で、欧州ではウクライナでの将来の和平合意を念頭に、関与のあり方を模索する動きが続いています。AP通信の報道によれば、複数の欧州諸国が、水面下でウクライナに部隊を派遣し、将来の和平合意の履行を支援する計画を検討しているとされています。
その中心にいるのが、英国とフランスだと伝えられていますが、具体的な規模や任務内容などの詳細はまだ明らかではありません。
英国のキア・スターマー首相は水曜日、英国はウクライナでの平和維持の役割を担う上で「自らの役割を果たす」と述べつつも、そのためには米国からの何らかの後ろ盾が不可欠だという考えを示しました。欧州だけで完結する安全保障の枠組みを構築できるのか、それとも依然として米国の関与が前提となるのかが焦点になっています。
ルカシェンコ氏が伝えるプーチン氏の「交渉の用意」
ルカシェンコ大統領はまた、最近行ったウラジーミル・プーチン露大統領との協議の内容にも言及しました。それによると、プーチン氏はウクライナ問題の解決に向けた交渉に応じる用意があることを改めて示したとされています。
交渉相手にはウクライナ側も含まれているといい、ルカシェンコ氏は「ウクライナの問題はウクライナ抜きでは誰も解決できない」と強調しました。これは、どのような和平プロセスであれ、ウクライナ自身の関与と同意が不可欠だという考えを示した発言といえます。
ただし、ロシアが受け入れ可能と考える和平の条件や、ウクライナ側との接点がどこにあるのかは、具体的には語られていません。欧州による平和維持部隊構想への強い反対と、交渉への「用意」というメッセージの間には、一定の緊張関係も見て取れます。
レアアースをめぐる米ウクライナ取引への懸念
ルカシェンコ大統領はインタビューの中で、米国とウクライナの間で取り沙汰されているレアアース(金属資源)取引にも触れました。レアアースとは、ハイテク機器や電気自動車、防衛産業などに欠かせない希少金属群を指し、各国が安定供給を競う戦略資源です。
ルカシェンコ氏は、この米ウクライナ間の取引について、純粋な経済関係を超える性格を持つのであれば、ロシアにとって「憂慮すべき、そして実際に憂慮している」問題になり得るとの見方を示しました。レアアースの権益や採掘・加工プロジェクトが、安全保障や軍事分野と結びつく可能性に警戒感を示した形です。
ロシア・欧州・ウクライナ、三者の思惑が交差
今回の発言からは、ウクライナ情勢をめぐるロシア、欧州諸国、そしてウクライナを取り巻く複雑な構図が浮かび上がります。
- 欧州側は、将来の和平合意の履行を確実なものとし、ウクライナ支援を継続する手段として平和維持部隊構想を模索している。
- ロシア側は、欧州中心の安全保障枠組みへの不信感から、その構想を強く拒否し、自らにとって受け入れ可能な交渉の枠組みを探ろうとしている。
- ウクライナをめぐる資源・経済協力、特にレアアースのような戦略資源を通じて、米国とロシアの間の地政学的な駆け引きも続いている。
今後、欧州諸国が平和維持部隊構想をどこまで具体化させるのか、またロシアがどのような条件で交渉に応じるのかは、ウクライナ情勢の行方を左右する重要なポイントになります。ウクライナを含む当事者全てが、どのような形で和平に向けた「席につく」のかが、国際社会の大きな関心事となっています。
Reference(s):
Russia against any European peacekeepers in Ukraine, Lukashenko says
cgtn.com







