ガザ向け支援船がエジプト沖に到達 グレタ氏ら12人が乗船
ガザへの人道支援を掲げる小型船が、エジプト沿岸に到達しました。スウェーデンの気候変動を訴える活動家グレタ・トゥーンベリさんら12人が乗り込み、イスラエルによるガザ封鎖に抗議しながら、包囲下のガザ地域を目指しています。
エジプト沖に到達した支援船マドリーン号
フリーダム・フローティラ連合に属する支援船マドリーン号は、先週シチリア島を出航し、救援物資を積んでガザを目指しています。主催者によると、船はすでにエジプトの領海に入り、現在はエジプト沿岸をガザ方向へ航行しているといいます。
船に乗るドイツの人権活動家ヤセミン・アジャルさんは、通信社の取材に対し「いま私たちはエジプトの海岸沖を航行しており、全員無事です」と近況を伝えました。
安全確保を求める活動家たちの訴え
ロンドンを拠点とするガザ包囲解除国際委員会は声明で、マドリーン号がエジプト領海に入ったと説明し、乗組員の安全を確保するため、国際的な法曹団体や人権団体と連絡を取り続けていると明らかにしました。
同委員会は、もし船が拿捕や攻撃などのかたちで妨害されれば「国際人道法の明白な違反」に当たると主張しています。乗船している欧州議会議員のリマ・ハッサンさんも、各国政府に対し、フリーダム・フローティラに対する安全な通航保証を行うよう強く求めています。
過去の船団とガザ封鎖の背景
ガザ沿岸のパレスチナ地域は、2023年10月7日のハマスによる攻撃と、それに続くガザ戦争が始まる前から、イスラエルによる海上封鎖の対象となってきました。封鎖はこれまでも軍事的手段を伴って実施されており、過去には大きな犠牲も出ています。
- 2010年には、トルコ船マヴィ・マルマラ号を含む支援船団がガザに向かう途中でイスラエル軍の急襲を受け、民間人10人が死亡しました。
- 今年5月には、同じフリーダム・フローティラ連合の船コンシエンス号がガザに向かう航路でドローン攻撃を受けたと報告し、救難信号を受けたキプロスとマルタが救助船を派遣しました。このときは死傷者は報告されていません。
- フリーダム・フローティラ連合は、3月2日に導入され、その後も部分的な緩和にとどまっているとされるガザ向け人道支援への封鎖措置に反対する団体の連合体として活動しています。
国連は、200万人を超えるガザの人々全体が飢饉の危険にさらされていると警告しており、こうした状況を背景に、イスラエルの封鎖政策には国際社会からの批判が一段と強まっています。
地中海での別の人道危機にも対応
マドリーン号はガザを目指す航路の途中、ギリシャのクレタ島近くで遭難信号を受信し、進路を変更して救助活動にもあたりました。活動家たちは、沈没しかけた船からリビアへの送還を恐れて海に飛び込んだスーダン出身の移民4人を救助しました。
4人はその後、欧州連合の国境警備機関フロンテックスの船に引き渡されています。ガザ支援を目的とした航海が、地中海の移民・難民危機とも交差した形です。
フリーダム・フローティラ連合とは
フリーダム・フローティラ連合は2010年に始まった国際的な市民団体の連合体で、ガザ向けの人道支援物資に対する封鎖に反対し、海路からの支援を試みてきました。今回のマドリーン号も、その一環として組織された船です。
連合に参加する団体は、ガザへの物資搬入そのものに加え、封鎖の実態や人道状況を国際社会に可視化することも目的だと説明しています。
これから注目されるポイント
支援船マドリーン号がガザにさらに接近するなか、海上での対応は国際法、人道支援、安全保障が交錯する難しい課題となります。今後、次の点が注目されます。
- マドリーン号がどの地点までガザ沿岸に近づくことを許されるのか。
- エジプトや欧州諸国など各国政府が、乗組員の安全確保にどのように関与するのか。
- 市民団体による海上支援の試みが、ガザへの人道支援ルートや封鎖の在り方をめぐる議論にどのような影響を与えるのか。
包囲下のガザに向かう一隻の支援船をめぐる動きは、遠く離れた日本に住む私たちにとっても、紛争地で人々の命と尊厳をどう守るのかを考えるきっかけとなりそうです。
Reference(s):
Activist aid ship nears Gaza after reaching Egypt coast: organizers
cgtn.com








