ネタニヤフ、米国主導のパレスチナ国家構想を拒否 極右与党が反発
イスラエルのネタニヤフ首相が、米国とイスラム教徒が多数を占める国々が国連で支持したトランプ米大統領のガザ和平案をめぐり、パレスチナ国家樹立への道筋に改めて反対を表明しました。極右与党勢力からの圧力と国際社会の動きが交差する最新の国際ニュースです。
ネタニヤフ首相「パレスチナ国家への反対は変わらず」
ネタニヤフ首相は現地時間の日曜日、声明を発表し「いかなる領土においてもパレスチナ国家に反対するという我々の立場は変わっていない」と強調しました。さらに「ガザは非武装化され、ハマスは容易な方法か困難な方法かにかかわらず武装解除される」と述べ、強硬な安全保障方針を改めて打ち出しました。
首相はまた「誰からの確認も、投稿も、説教も必要ない」とも述べ、対外的な批判や圧力を一蹴する姿勢を示しました。この発言は、トランプ米大統領のガザ和平案を支持する国連決議案をめぐり、イスラエル国内の極右勢力から批判が高まる中で出されたものです。
トランプ大統領のガザ和平案と国連決議案
問題の中心にあるのは、トランプ米大統領が打ち出したガザ和平案です。米国と多くのイスラム教徒が多数を占める国々は、この和平案を支持する国連安全保障理事会の決議案に賛同しました。15カ国で構成される安保理は、今年11月7日からこの決議案の協議を始めています。
決議案は、ガザでの戦後復興や経済回復などを扱う暫定統治機構「ボード・オブ・ピース(和平委員会)」の設置を盛り込んでいます。トランプ大統領による全20項目の計画には、パレスチナ自治政府が改革を進めた場合、「パレスチナ人の自決と国家樹立に向けた信頼できる道筋が整う可能性がある」とし、それが「パレスチナの人々の願いだ」と認める文言も含まれています。
この和平案は、約2年にわたるイスラエルとハマスの激しい戦闘を終結させ、ガザ地区に壊滅的な被害と中東全体への波及的な衝突をもたらした紛争に一区切りをつけたとされています。一方で、パレスチナ国家の扱いをめぐる根本的な政治課題は残されたままです。
極右閣僚の反発と連立政権の揺らぎ
国内では、連立与党の極右派閣僚が強く反発しています。土曜日には、イタマル・ベン・グヴィル氏とベザレル・スモトリッチ氏がネタニヤフ首相に対し、パレスチナ国家の構想を明確に否定するよう要求しました。ベン・グヴィル氏は、首相が行動を起こさない場合は連立から離脱する可能性を示唆しています。
もし極右勢力が政権から離脱すれば、ネタニヤフ政権は多数派を失い、2026年10月までに実施が予定されている次の総選挙を待たずに崩壊する可能性があります。これは、首相にとって大きな政治的リスクとなっています。
一方で、イスラエル・カッツ国防相やギデオン・サール外相も、ネタニヤフ首相には言及しない形でパレスチナ国家に反対する声明をX上で発表しました。右派・保守勢力の間で、どこまで強硬な姿勢を取るかをめぐる競い合いが生じている構図も見えてきます。
西側諸国の「パレスチナ国家承認」と極右からの批判
国際社会では、西側諸国の一部がパレスチナ国家を正式に承認する動きを見せています。ネタニヤフ首相は今年9月にホワイトハウスを訪問する前、フランスを含む複数の西側主要国がパレスチナ国家を承認したことに対し、何らかの対応を取ると表明していました。
しかし、その後も具体的な外交措置は取られておらず、イスラエル側の目に見える反応は出ていません。こうした状況に対し、スモトリッチ氏は、ネタニヤフ首相が約束を守っていないと非難し「この2カ月間、あなたは沈黙と政治的な恥辱を選んできた」と強い言葉で批判しました。
同氏はさらに、首相に対して「世界中に対し、我々の土地にパレスチナ国家が生まれることは決してないとはっきり示すべきだ」と訴え、より明確で断固としたメッセージを求めています。
ガザ和平とパレスチナ国家構想の行方
トランプ大統領のガザ和平案は、大規模な戦闘を止めた一方で、パレスチナ国家の扱いという最も敏感な論点を内包したまま進んでいます。今回の国連決議案は、その計画を国際的な枠組みの中に位置づけ、パレスチナの自決と国家樹立への「道筋」を示すものとして支持されてきました。
しかし、イスラエルの与党内で極右勢力の影響力が強まる中、ネタニヤフ首相は国内政治の安定と、米国やイスラム諸国を含む国際社会との関係の間で、難しい綱渡りを迫られています。強硬姿勢を貫けば連立は維持しやすくなる一方で、和平プロセスは停滞しかねません。
今後の焦点となるのは、ネタニヤフ首相の今回の発言が極右勢力をどこまで満足させるのか、そして米国や国連、安全保障理事会の議論にどのような影響を与えるのかという点です。ガザの復興とパレスチナ人の権利保障、イスラエルの安全保障をどのように両立させるのか──2025年末の中東情勢を見るうえで、引き続き注視すべきテーマと言えます。
Reference(s):
Netanyahu faces far-right backlash over U.S.-backed Palestinian plan
cgtn.com








