海南省・五指洲島のサンゴ礁再生 エコツーリズムが描く海の未来 video poster
中国南部の海南省にある五指洲島(Wuzhizhou Island)で、サンゴ礁の再生と観光を組み合わせた取り組みが進み、豊かな海の景観と環境保全の両立が注目されています。国際ニュースとしても、エコツーリズムと海洋保護のモデルケースの一つとして見ることができます。
海南省・五指洲島とはどんな場所か
五指洲島は、海南省の沿岸部から海に突き出したエリアに位置する観光地です。温暖な気候と美しい海に囲まれ、サンゴ礁などの海洋生態系が広がるエリアとして知られています。
観光地としての魅力に加えて、近年は海洋環境の再生と保全に向けた取り組みが進み、単なるリゾート地にとどまらない役割を担い始めています。
2010年から続く海洋牧場とサンゴ礁再生
五指洲島では、2010年以降、海洋牧場の整備とサンゴ礁の生態系回復に取り組んできました。海洋牧場とは、魚や貝などの生き物が暮らしやすい環境を人工的に整え、海の生産力を高める「海の牧場」のことです。
この海洋牧場プロジェクトとサンゴ礁の生態系回復は、約15年にわたって続く長期的な試みであり、海の環境を守りながら地域のにぎわいも生み出すことをめざしています。
五指洲島の海洋牧場は、海南省で初めての国家級海洋牧場示範区として位置づけられており、2025年現在も、海洋環境を基盤とした観光・産業のあり方を探る取り組みが続いています。
「エコロジー+観光」モデルが生み出した三つの効果
五指洲島では、環境保全と観光を組み合わせた「エコロジー+観光」というグリーンな開発モデルが打ち出されてきました。このモデルは、次の三つの側面で顕著な成果を上げているとされています。
- 生態面の効果:サンゴ礁の生態系回復や海洋牧場の整備により、海の環境改善や生物多様性の回復が期待されています。観光客にとっても、より豊かな海の風景や海中景観を体験できる土台となります。
- 経済面の効果:海の景観とサンゴ礁を生かした観光資源は、地域の観光産業の魅力を高め、関連するサービスや産業の発展にもつながります。環境を守りながら経済活動を行うことで、長期的な収益基盤を築きやすくなります。
- 社会面の効果:地域全体で海洋環境を守る意識が高まり、環境教育や体験を通じて、海との関わり方を見直すきっかけを提供します。観光客にとっても、遊ぶだけでなく学びのある滞在が可能になります。
なぜ五指洲島の取り組みが国際ニュースになるのか
五指洲島の事例は、観光開発と環境保全のバランスをどう取るかという、世界共通の課題に向き合う一つの試みとして注目されています。特に、海洋環境は一度傷つくと回復に時間がかかるため、サンゴ礁の再生と観光を同時に進めるモデルは各国・各地域にとっても参考になります。
また、国家級の海洋牧場示範区として整備されたことは、政府や地域が一体となって長期視点で海を守る仕組みづくりを進めていることを示しています。観光収入を追い求めるだけでなく、海の価値そのものを高める発想に転換している点が特徴です。
デジタル世代が考えたい「エコロジー+観光」の視点
五指洲島のニュースは、スマートフォンで世界の動きを追う私たちに、次のような問いを投げかけています。
- 観光地を選ぶとき、環境への配慮をどこまで意識しているか
- 「きれいな景色」を消費するだけでなく、その景色を守る仕組みにも関心を持てるか
- 地域の人びとにとって、観光と環境保全が両立する形とは何か
五指洲島の「エコロジー+観光」モデルは、私たちの旅行スタイルや、観光に対する価値観を静かに問い直しています。SNSで絶景をシェアする時代だからこそ、その背後にある環境保全や地域づくりの努力にも目を向けることが求められているのかもしれません。
おわりに:海を守りながら楽しむという選択肢
海南省・五指洲島で進む海洋牧場とサンゴ礁再生の取り組みは、海を守りながら観光を楽しむという選択肢が現実的であることを示しています。エコロジーと観光を対立させるのではなく、両立させるモデルをどう設計するか。その模索は、2025年の今も続いています。
次に海のニュースや観光の話題を目にしたとき、五指洲島の事例を思い出してみると、見え方が少し変わってくるかもしれません。
Reference(s):
Live: Splendid view of Sanya Wuzhizhou Island Tourist Area in Hainan
cgtn.com



