韓国特別検察官、韓悳洙元首相に懲役15年求刑 尹錫悦氏の内乱関与巡り
韓国(大韓民国)で、弾劾により罷免された尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の「内乱」事件を巡り、特別検察官が韓悳洙(ハン・ドックス)元首相に懲役15年を求刑しました。大統領だけでなく元首相まで重い刑事責任を問う動きは、韓国政治と司法の行方を占う重要な局面となっています。
元首相に懲役15年求刑 「内乱を助けた」と指摘
韓国の特別検察官チームは水曜日、ソウルで開かれた公判で、韓悳洙元首相に対し懲役15年を求刑しました。訴追内容は、弾劾された尹錫悦前大統領による内乱に「幇助(ほうじょ)・加担」した疑いなどです。
特別検察官として捜査を率いる趙銀淑(チョ・ウンスク)氏のチームは、韓氏が内乱の首謀者とされる尹氏を助け、内乱に関わる重要な任務を担ったうえ、証言で虚偽を述べたと主張しています。複数の韓国メディアによると、検察側はこうした行為が「内乱の遂行に不可欠な役割」を果たしたと位置づけています。
戒厳令の「正当性」確保を図ったとされる行為
聯合ニュースなどの報道によると、特別検察官チームは韓氏について、尹氏による戒厳令の宣言をめぐり、その正当性を確保しようと動いたと指摘しています。さらに、公文書の改ざんなどを通じて司法手続きの妨害にあたる行為を行い、その後の捜査や裁判では供述を翻すなど、協力的な態度を示さなかったとされています。
検察側は公判で、「韓氏は内乱を阻止し得る唯一の立場にありながら、その責任を果たさず、戒厳令宣言の前後を通じた一連の行動によって内乱に加担した」と強調したと伝えられています。
尹錫悦前大統領の弾劾と起訴 これまでの流れ
今回の求刑は、尹錫悦前大統領をめぐる一連の内乱事件の延長線上にあります。これまでに明らかになっている主な流れは次の通りです。
- 尹氏は昨年12月、戒厳令の発動を試みたものの「失敗」に終わったとされています。
- その後の捜査の中で、尹氏は内乱の首謀者とされ、2025年1月26日に身柄を拘束されたまま起訴されています。
- 弾劾手続きでは、憲法裁判所が2025年4月4日に弾劾訴追を認め、尹氏は大統領職を正式に失いました。
現在も、趙銀淑特別検察官のチームは尹氏の内乱容疑やその他の疑惑について独立した立場から捜査を続けており、韓氏に対する求刑はその一環と位置づけられます。
韓国政治と司法に突きつけられる問い
大統領経験者だけでなく元首相までが内乱関連の刑事責任を問われる展開は、韓国の政治制度における権力のあり方を改めて問い直すものです。憲法裁判所による弾劾審理と、特別検察官による独立捜査が、強い権限を持つ行政府トップに対するチェックとして機能している姿が浮かび上がります。
一方で、こうした大規模な政治事件の裁判は、社会の分断や政治的不信を深めるリスクも抱えています。今後の裁判で、韓氏側がどのような反論を行うのか、裁判所が特別検察官の主張をどこまで認めるのかによって、韓国社会における「法の支配」の信頼度も左右される可能性があります。
韓悳洙元首相に対する判決は、尹錫悦前大統領の責任追及の行方とあわせて、今後もしばらく韓国政治の重要なニュースとして注目されそうです。
Reference(s):
cgtn.com








