南スーダン東部で衝突再燃、国連が民間人への大量暴力リスクを警告
南スーダン東部で衝突が続くなか、国連の調査機関が「民間人への大量暴力」につながりかねないリスクが高まっていると警告しました。戦闘の長期化だけでなく、住民に向けた扇動的な発言が重なっている点が、いま強い懸念として指摘されています。
何が起きているのか:ジョングレイ州で戦闘、住民は湿地へ避難
国連・南スーダン人権委員会(Commission on Human Rights in South Sudan)は現地時間1月25日(日)、首都ジュバの北に位置するジョングレイ州での戦闘に「重大な警戒感(grave alarm)」を表明しました。目撃者の証言として、民間人が湿地帯へ逃れている状況も伝えられています。
軍の避難呼びかけ:「直ちに退避を」
南スーダン人民防衛軍(SSPDF)の報道官ルル・ルアイ・コアン氏は同日、反体制派のスーダン人民解放軍反対派(SPLA-IO)が支配する地域にいるジョングレイ州の住民に対し、直ちに退避し、できるだけ早く政府側支配地域へ移動するよう呼びかけたとされています。
国連が問題視するポイント:扇動的発言と部隊動員の「危険なエスカレーション」
国連・南スーダン人権委員会は、指揮官による民間人への暴力を促す趣旨の公的発言や部隊動員が確認されているとして、これらが「危険なエスカレーション」に当たると指摘しました。さらに、和平プロセスの政治的基盤がすでに大きく弱まっている局面であることが、状況を一段と不安定にしているとの見方を示しています。
UNMISSも懸念:民間人への暴力を呼びかける言動は「断じて許されない」
国連南スーダン派遣団(UNMISS)も、公の場での宣言や発言内容に懸念を示しました。UNMISSトップのグラハム・メイトランド氏は、弱い立場の人々を含む民間人への暴力を呼びかける扇動的言辞を「断じて許されず、今すぐ止めなければならない」と述べたとされています。
避難は18万人超:人道状況の悪化が焦点に
当局によれば、今回の戦闘再燃により、これまでに18万人以上が住む場所を追われたとされています。国連は南スーダンの指導層に対し、民間人の安全と福祉を最優先にするよう促し、エスカレーションが続けば、脆弱(ぜいじゃく)な和平努力が後退し、さらなる人道危機につながり得ると警告しています。
背景:昨年末から続く「持続的な衝突」
SSPDFとSPLA-IOはこの1年の間にも複数回衝突してきましたが、国連側の説明では、最も持続的な戦闘は昨年末(12月下旬)に始まったとされています。短期の衝突が繰り返される環境では、流言や扇動が不安を増幅し、避難の遅れや住民保護の空白につながりやすいという懸念も残ります。
今後の注目点:住民保護と発言の抑制、避難の実効性
- 民間人保護:避難路の確保、湿地帯などへの逃避を余儀なくされた人々への支援
- 扇動的言動の抑制:公的発言が現場の暴力を誘発しないか
- 避難勧告の実効性:「政府側支配地域」への移動が現実に可能か、移動中の安全は担保されるか
- 和平プロセスの持続性:政治的基盤が弱いとされるなかで、緊張緩和の糸口が見いだせるか
現地では戦況の変化が早く、情報が錯綜しやすい局面です。国連が強い言葉で警鐘を鳴らした背景には、戦闘そのものに加え、言葉が暴力を押し上げるリスクへの危機感があると言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








