米国「新たな艦隊」発言で緊張再燃 ホルムズ海峡でイラン実弾演習も
中東で米軍の動きが目立つなか、米国とイランの言葉の応酬が強まっています。2026年1月27日(火)、ドナルド・トランプ米大統領が「別の(米国の)艦隊がイランへ向かっている」と述べ、同日にイランはホルムズ海峡の航空航法に関する通告(NOTAM)を出しました。
何が起きているのか:発言と軍事活動が同時進行
発端の一つとなっているのが、米海軍のUSSエイブラハム・リンカーン空母打撃群(Carrier Strike Group)の中東地域への展開です。これに続き、米中央軍(CENTCOM)は、担当区域全体で複数日にわたる即応性(readiness)演習を実施すると発表しました。
こうした動きと同じタイミングで、トランプ大統領は27日、「もう一つの美しい艦隊が、いままさにイランに向けて美しく進んでいる。彼らが合意することを願う」と述べ、交渉による合意を期待する姿勢もにじませました。
「決定はまだ」—ただし緊張を押し上げる材料は増加
トランプ大統領はイランに対し軍事行動の可能性に言及してきた一方で、ホワイトハウスが最終決定を下したことを示す兆候は、現時点ではないとされています。
ただ、空母打撃群の展開と即応性演習は、イラン近傍での米軍態勢を大きく引き上げる動きとして受け止められやすく、双方の強硬なメッセージが連鎖する土壌にもなっています。
イスラエル側の発信:攻撃があれば「見たことのない力で応答」
イスラエル紙マアリブ(Maariv)は、米国が対イラン軍事行動に踏み切る場合、直前にイスラエルへ通知すると報じました。
また、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はテレビ会見で、「もしイランがイスラエルを攻撃するという重大な過ちを犯せば、イランが見たことのない力で応答する」と警告しました。
イラン側の発信:周辺国にも「敵対」になり得る線引き
イラン側も強い言葉で応じています。革命防衛隊(IRGC)海軍の政治担当副司令官モハンマド・アクバルザデ氏は、ファルス通信(Fars News Agency)に対し、近隣諸国は友好国としつつも、「その領土・領空・海域がイランへの攻撃に利用されれば敵対的になる」との趣旨を述べたとされています。
さらにアナドル通信(Anadolu Agency)によると、イランは27日(火)から29日(木)にかけて予定する実弾演習(live-fire drills)を理由に、ホルムズ海峡周辺の航空航法についてNOTAMを発出しました。これは、民間航空を含む運航への影響が意識される措置でもあります。
いま注目されるポイント:メッセージの「宛先」と「読み違い」
今回の局面は、軍事行動そのものよりも、発言・演習・通告が同時に積み重なり、相手の意図をどう読むかが難しくなる構図が目立ちます。状況を追ううえでは、次の点が焦点になりそうです。
- 米軍の演習が「抑止」の範囲にとどまるのか、追加展開につながるのか
- イランのNOTAMと実弾演習が、海峡の安全運航へどの程度影響するのか
- イスラエル側の警告が、地域の抑止と緊張のどちらに作用するのか
- 当事者が国内外に向けて発する強い言葉が、現場の判断にどう影響するのか
中東の安全保障は、ひとつの動きが別の動きを呼びやすい領域です。今週後半(1月29日)まで続くとされる演習日程も含め、発表や通告の積み重ねが、次の一手をどう形づくるのかが注視されます。
Reference(s):
U.S., Iran intensify rhetoric as another 'armada' heads to Middle East
cgtn.com








