南アフリカ警察総監、1300万ドル医療契約疑惑で停職処分
南アフリカ共和国のシリル・ラマフォサ大統領は、1300万ドル(約18億円)規模の医療契約授与を巡る公金規則違反の疑いで、ファニー・マセモラ国家警察総監を予防的停職処分にしたと発表しました。警察組織のトップがこのような措置を受けるのは異例であり、同国におけるガバナンスと汚職対策への厳しい視線が改めて浮き彫りになっています。
ラマフォサ大統領による発表と措置の理由
ラマフォサ大統領は2026年4月23日、プレトリアでの記者会見で、マセモラ総監の停職を明らかにしました。その理由として「説明責任を確保し、職権乱用と公的資源の横領を防ぐ是正措置を講じるために必要な措置だった」と述べています。マセモラ総監は、警察機関への医療サービス提供契約を「メディケア24」に授与した過程で、『公的財政管理法』に違反した疑いが持たれています。
疑惑の核心:医療契約を巡る癒着の疑い
検察当局の主張によれば、この契約は「メディケア24」が警察関係者と共謀して落札したとされています。契約がキャンセルされる前に、関連人物が約5000万ランド(約3億円)の支払いを受け取っていたとされています。マセモラ総監はこれらの容疑を否定していますが、2022年から警察の日常運営を統括する立場にあった人物の停職は、調査の重大さを示しています。
組織の対応:臨時総監の任命
マセモラ総監の停職に伴い、プレン・ディンパネ中将が臨時国家警察総監に任命されました。ディンパネ氏は2018年から南アフリカ警察庁(SAPS)の最高財務責任者(CFO)を務めており、財務管理の経験が背景にあると見られています。この人事は、現在進行中の調査期間中も警察組織の運営を安定させるための措置です。
背景にある大規模な汚職調査
今回の処分は、ラマフォサ大統領が去年(2025年)7月に設置した「マドランガ委員会」の調査活動の一環として位置づけられます。この委員会は、政治家と法執行機関による共謀の疑いに関する告発を調査するために設けられました。きっかけは、上級警察官からの、汚職と政治的干渉が犯罪捜査を損なっているという告発でした。委員会設置時には、センゾ・ムチュヌ警察大臣も休職処分となっています。
警察組織の最高責任者が直面するこのような疑惑と処分は、公的機関の透明性と説明責任が世界的な関心事であることを思い起こさせます。調査の行方と、それが南アフリカの法執行機関の信頼回復にどのようにつながるかが注目されます。
Reference(s):
South Africa's police chief suspended over health contract award
cgtn.com




