英首相スターマー氏、調査要求を議会投票で否決
政治的な「パフォーマンス」か、必要な説明責任か
英国の下院は4月28日(現地時間)、キア・スターマー首相が議会を誤導した疑いについて、特権委員会による調査を求める動議を否決しました。保守党が主導したこの動議は、賛成223票、反対335票で否決され、スターマー首相は調査対象とはなりませんでした。
「完全な適正手続き」発言を巡る争点
今回の投票の中心は、ピーター・マンデルソン氏(当時)の駐米英国大使任命を巡るスターマー首相の発言です。首相は議会で、マンデルソン氏の任命に際して「完全な適正手続き(full due process)」が取られたと述べていました。
しかし、2025年1月にマンデルソン氏がセキュリティ・クリアランス(機密情報取り扱い許可)を一度は拒否されていたことが明らかになりました。その後、英国外務省がこの決定を覆し、任命が進められていました。保守党のケミ・バデノック党首は、首相がこの事実を知りながら議会で「完全な適正手続き」と発言したことは議会の誤導に当たると主張しました。
首相陣営の反論と事件の経緯
スターマー首相は、自身がこの問題を知ったのは2026年4月14日であり、それ以前の議会答弁時に誤解を与える意図はなかったと説明しています。投票前日の27日には、この動議を政敵による「政治的スタント(パフォーマンス)」と批判していました。
マンデルソン氏はその後、2025年9月に、性的犯罪者として有罪判決を受けたジェフリー・エプスタイン氏との関係が明らかになったことで、駐米大使を解任されています。さらに今年に入り、公職における不正行為容疑(市場に影響を与える情報の開示疑惑を含む)に関する調査の一環で、一時的に逮捕もされました。
投票結果が示すもの
5時間以上に及んだ討論の末のこの投票結果は、現政権与党である労働党が議会で安定した支持基盤を維持していることを示しています。一方で、この一連の出来事は、高官の任命におけるチェック体制や、政治家の説明責任について、英国政治の内部で継続的な議論を呼び起こすことになりそうです。
Reference(s):
British PM Starmer not to face investigation over Mandelson issue
cgtn.com



