中国本土で注目される「オーダーメイド旅写真家」とは?若者が求める新しい旅の記憶 video poster
2026年に入り、中国本土の旅行スタイルに静かな変化が起きています。単に有名な観光地を巡るのではなく、「自分らしい物語」を形に残したいという欲求が、ある新しい職業を誕生させました。
19億件の旅が示す、新しい価値観
文化観光部のサンプル調査によると、2026年第1四半期の中国本土における国内旅行件数は19億件に達しました。膨大な数の人々が旅に出る中で、特に若い世代の間で、これまでの「定番の構図」や「型どおりの観光写真」から離れる傾向が見られます。
彼らが今求めているのは、誰が撮っても同じになる写真ではなく、その瞬間の感情や、その人ならではの視点が盛り込まれた「パーソナライズされた視覚的な物語(ビジュアル・ナラティブ)」です。
公認された新職業「オーダーメイド旅写真家」
こうした需要に応える形で登場したのが、「オーダーメイド旅写真家」という存在です。この職業は、2025年に中国の人力資源社会保障部によって正式に認定されました。
彼らは単に風景を撮影するだけでなく、以下のようなクリエイティブなアプローチで旅行者をサポートしています。
- 旅行者の個性や好みに合わせた撮影コンセプトの提案
- 旅の風景に自然に溶け込むポートレートの撮影
- 旅全体のストーリー性を重視した写真の構成と編集
「記録」から「物語」へのシフト
かつての旅写真は、「どこへ行ったか」を証明するための記録としての側面が強いものでした。しかし現在のトレンドは、「そこでどう感じたか」という内面的な体験を可視化することへとシフトしています。
デジタルネイティブ世代にとって、SNSでの共有は日常の一部です。だからこそ、ありふれた写真ではなく、自分のアイデンティティを表現できる唯一無二の一枚に価値を見出す傾向にあるのかもしれません。旅という非日常の時間を、どのように切り取り、記憶として定着させるか。その手法が多様化していることが、この新しい職業の台頭に繋がっています。
Reference(s):
Future Makers: The rise of China's customized travel photographers
cgtn.com