ナイジェリア北東部で激しい衝突、軍が武装勢力50人を殺害と発表も被害状況に疑問の声
ナイジェリア北東部でイスラム過激派組織による大規模な攻撃が発生し、軍は50人以上の武装勢力を殺害したと発表しました。この衝突は、長年続く過激派との戦いが今なお激化していることを示しており、軍の戦略的な課題も改めて浮き彫りにしています。
ブニ・ガリでの夜襲と軍の対応
ナイジェリア軍の発表によると、今週木曜日の午前2時ごろ、ヨベ州ブニ・ガリにある第27旅団司令部および近隣の検問所に対し、イスラム国西アフリカ州(ISWAP)による組織的な攻撃が行われました。
軍は声明の中で、暗闇に紛れて多方向から攻め込んできたテロリストに対し、「圧倒的な火力と戦術的な巧みさ、そして強い決意」をもって対抗したとしています。その結果、以下のような状況になったと報告されています。
- 武装勢力50人以上を殺害(中和)
- 大量の武器および弾薬を回収
- 軍側の死者は2名
軍が公開した写真には、現場に残された遺体や押収された武器の様子が写っていました。
「報告」と「現実」の乖離を指摘する声
一方で、この軍の発表内容に疑問を呈する動きもあります。匿名を条件に取材に応じた情報筋は、軍の反撃が行われたことは認めたものの、「軍側は自らの被害を著しく過少に報告し、武装勢力の損失を誇張している」と指摘しています。
また別の情報筋によると、死傷した兵士たちを運ぶために6台の救急車が隣接するボルノ州の州都マイドゥグリへ向かったとされており、実際の被害規模は軍の発表よりも大きい可能性が示唆されています。
治安維持戦略のジレンマと広がる影響
ナイジェリアでは2009年以来、ボコ・ハラムやその分派であるISWAPなどがイスラム法に基づく国家建設を目指して活動しており、政府軍との激しい抗争が続いています。最近では一時的な沈静化が見られたものの、ここ数ヶ月で再び攻撃が激化しています。
軍は2019年以降、小規模な拠点を閉鎖し、兵力を大規模で強固な基地に集約させる「スーパーキャンプ」戦略を採用してきました。しかし、この手法には以下のような副作用があるとの分析もあります。
- 防衛力の集中:大規模基地の防御力は高まった。
- 空白地帯の発生:軍の不在となった農村部などで、武装勢力がより自由に移動・活動できる環境が生まれた。
国連の統計によれば、この過激派による紛争でこれまでに4万人以上の人々が亡くなり、約200万人が避難を余儀なくされています。影響はナイジェリア国内にとどまらず、隣接するニジェール、カメルーン、チャドなどの国々にも波及しており、地域全体の不安定化が懸念される状況が続いています。
Reference(s):
cgtn.com