米国、W杯出場5カ国のサポーターにビザ保証金を免除 開幕目前の緩和措置
6月11日の開幕を目前に控え、米国政府は2026年FIFAワールドカップに参加するアフリカ5カ国のサポーターに対し、高額なビザ保証金の支払いを免除することを決定しました。トランプ政権による厳格な移民規制が続く中、多くのファンが大会への参加を断念しかねない状況を受けての異例の措置です。
高額な「ビザ保証金」という壁
米国国務省が発表した内容によると、以下の5カ国から「FIFA PASS」という迅速ビザ申請システムを通じて4月15日までに登録したチケット所持者が免除の対象となります。
- アルジェリア
- カーボベルデ
- コートジボワール
- セネガル
- チュニジア
また、チームの役員やスタッフも同様に免除されます。
もともと米国が導入していたこの保証金制度は、ビザの不法滞在リスクが高いとされる50カ国の渡航者を対象としています。最大で1万5,000ドル(約230万円相当)という高額な保証金を一時的に預けさせる仕組みで、国家安全保障と移民法執行の強化を目的としていました。
経済的格差がもたらす「観戦の権利」への影響
今回の措置に至った背景には、観光事業者やサッカーファンからの強い懸念がありました。ある法律事務所の調査では、最大1万5,000ドルの保証金は、対象国の一部では平均年収の約3年分に相当すると指摘されていました。
国務省のモーラ・ナムダル領事局長は、「米国の国家安全保障上の優先事項を強化しつつ、今度のワールドカップに向けた正当な旅行を促進することに尽力している」と述べています。スポーツという世界的な祭典において、経済的な障壁がファンの来場を妨げることは、大会の成功にとっても大きなリスクとなっていたと考えられます。
依然として残る不透明感と課題
一部で緩和が進んだ一方で、すべての国に道が開かれたわけではありません。同じくW杯出場権を得ているハイチやイランなどは、依然としてトランプ政権による厳しい旅行制限下にあり、一般のサポーターがどれだけ来場できるかは不透明なままです。
また、米国内の主要都市で移民摘発が激化しているとの報告もあり、支援団体などはFIFAに対し、大会期間中にファンが不当に標的にされないよう、米国政府に保証を求めるよう促しています。
世界中の人々が集うワールドカップにおいて、「セキュリティの確保」と「開かれた大会」をどのように両立させるのか。開幕まで残り1カ月を切る中、米国の対応が注目されます。
Reference(s):
US waives visa bonds for fans from five African World Cup nations
cgtn.com