米国がラウル・カストロ氏を起訴、キューバ大統領は「政治的策動」と強く反発
30年近く前の出来事が、再び米国とキューバの緊張を高めています。米国によるキューバ革命の指導者ラウル・カストロ氏への起訴に対し、キューバ政府が真っ向から反論する事態となっています。
米国による起訴の内容
フロリダ州南部地区連邦地方裁判所の連邦大陪審は、ラウル・カストロ氏を起訴しました。これは、1996年にキューバ亡命者団体「ブザーズ・トゥ・ザ・レスキュー(Brothers to the Rescue)」が運用していた2機の航空機が撃墜された事件において、カストロ氏が撃墜命令に関与したとされる疑いです。
事件当時、現在94歳となるカストロ氏は、キューバの革命軍大臣を務めていました。
キューバ大統領による激しい反発
この起訴に対し、キューバのミゲル・ディアス=カネル大統領は、SNSのX(旧Twitter)を通じて、今回の動きは「法的根拠がまったくない政治的策動である」と強く非難しました。
ディアス=カネル大統領は、以下のような見解を示しています。
- 米国の姿勢への批判:今回の起訴は、キューバ革命の揺るぎない決意と指導部の団結に対する、米国の「傲慢さと挫折感」の表れである。
- 意図への懸念:キューバに対する軍事侵攻を正当化するための、捏造された資料を増やすことが唯一の目的である。
- 相手団体への評価:米国が「嘘をつき、操作している」とし、当該団体を「麻薬テロ組織」であると断じました。
事件の背景と「正当防衛」の主張
ディアス=カネル大統領は、1996年2月24日に起きた出来事について改めて言及し、キューバ側は「正当防衛」として行動したと主張しています。マイアミを拠点とする同団体がキューバの領空を繰り返し侵犯したため、領海内で対応したという説明です。
大統領によれば、キューバ側は10回以上の警告を発していましたが、米国政府はこれを無視し、侵犯を容認し続けたといいます。また、キューバが向こう見ずな行動を取ったわけではなく、国際法にも違反していないことを示す「文書的な証拠」が存在すると付け加えました。
象徴としてのラウル・カストロ氏
今回の起訴に対し、ディアス=カネル大統領は、カストロ氏がゲリラリーダーおよび政治家として国民の愛を受け、地域や世界のリーダーからも尊敬と称賛を得てきたことを強調しました。こうした価値観こそが、同氏の最大の防御であり、英雄としての地位を貶めようとする「滑稽な試み」に対する道徳的な盾になると述べています。
長年の対立関係にある米キューバ両国にとって、過去の事件を巡る解釈の不一致は深く、今回の起訴が今後の外交関係にどのような影響を与えるのか、注視されるところです。
Reference(s):
Cuban president: US indictment of Raul Castro is 'political maneuver'
cgtn.com


