高市首相の陣営に「AI中傷動画」の疑惑、週刊文春が証拠を提示
政治の世界でAI(人工知能)がどのように利用されるべきか。今、日本の政治中枢でその倫理が大きく問われる事態となっています。
政治的ライバルを標的にした「AI動画」の正体
週刊文春の最新の報道によると、高市早苗首相の陣営が、政治的なライバルを攻撃するためのオンライン中傷動画を制作し、拡散させていたという疑惑が浮上しました。
特に注目されているのは、昨年の自民党総裁選における動きです。報道によれば、高市陣営はライバルであった小泉進次郎氏に対し、オンライン動画を通じて「無能な傀儡(かいらい)」であるかのように描き出す攻撃を展開していたとされています。同時に、高市氏を称賛する多くの動画もネット上に流布されていました。
1日最大200本の大量生成、AIによる戦略的拡散
この疑惑の中心にいるとされるのが、高市氏の側近である木下剛氏と、動画制作者の松井健氏です。松井氏は週刊文春に対し、以下のような衝撃的な証言を行っています。
- 制作規模: 昨年の総裁選中、木下氏の依頼でAIソフトを使用し、1日あたり100本から200本の動画を生成していた。
- ターゲットの配分: 生成された動画の約70%が小泉氏を標的にし、約10%が林芳正氏を攻撃する内容だった。
- 自己プロモーション: 残りの約20%は、高市氏自身の評価を高めるためのコンテンツだった。
衆院選にも波及した攻撃的なコンテンツ
この手法は総裁選にとどまらなかったようです。今年2月に行われた衆議院議員総選挙においても、再び木下氏から松井氏へ、野党候補者を攻撃する動画の制作依頼があったと報じられています。
具体的には、立憲民主党の馬渕褒礼氏を「国に有害なアマチュア」と呼び、岡田克也氏については「呼吸をするように嘘をつく」と非難する内容だったとされています。
否定する首相と、積み上がった「証拠」
高市首相はこれまで国会での答弁などで、「自分も陣営もそのような活動に従事したことはない」と一貫して否定してきました。
しかし、週刊文春は、木下氏と松井氏の間のテキストメッセージやオンラインチャットの記録など、計67点に及ぶ証拠を確保したとしています。デジタル時代において、個人のやり取りを記録したログは強力な証拠となり得ます。
現時点で、首相官邸および木下氏からの公式な回答はありませんが、AIを用いた世論操作の疑いは、単なる政治的争いを超え、民主主義における情報の信頼性という大きな課題を私たちに突きつけています。
Reference(s):
Report finds evidence linking Takaichi's team to smear campaign
cgtn.com