30年の逃亡生活に終止符:元赤軍派メンバーの女性に禁錮13年の判決
30年以上にわたる逃亡生活の末、ドイツの法廷で一つの区切りがつきました。かつてドイツを震撼させた過激派組織「赤軍派」の元メンバーに対し、逃亡中に繰り返した一連の強盗事件の罪で、禁錮13年の判決が下されました。
逃亡中の資金調達として繰り返された強盗事件
ベルリンの裁判所が今週水曜日(5月27日)、ダニエラ・クレッテ氏(67歳)に禁錮13年の実刑判決を言い渡しました。彼女は長年にわたる逃亡生活を維持するための資金を調達するため、共犯者とともに計画的な強盗事件を繰り返していたとされています。
検察側の主張によると、犯行の手口は極めて緻密であり、以下のような特徴がありました:
- 大胆な偽装: 強盗の際、本物そっくりの「偽装バズーカ」を構えて相手を威嚇し、共犯者がアサルトライフルを所持して犯行に及んでいた。
- 幅広いターゲット: スーパーマーケットや現金輸送車などを標的にしていた。
- 巨額の奪取額: 1999年から2016年の間に、合計で約280万ドル(数億円相当)を盗み出した。
裁判所は、犯行が細部まで綿密に計画されていた点に触れ、「犯罪意図が非常に高い」と指摘しています。
「赤軍派」という背景と、逮捕までの経緯
クレッテ氏は、1970年代から80年代にかけて爆弾テロや誘拐などで知られた急進的な反資本主義組織「赤軍派(RAF)」、別名バーダー・マインホフ集団の元メンバーです。組織は1998年に解散しましたが、彼女はその後も当局の追跡を逃れ続けてきました。
彼女が逮捕されたのは2024年2月、ベルリンの自宅アパートでのことでした。警察の家宅捜索では、以下のような「逃亡者のツール」が発見され、世間に衝撃を与えました。
- カラシニコフ式アサルトライフル
- 変装用のウィッグ(かつら)
- 偽造身分証明書
- 大量の現金と金(ゴールド)
今後の展開と残された課題
今回の判決に対し、弁護側は直ちに控訴する意向を示しています。また、今回の裁判はあくまで逃亡中の強盗事件に関するものであり、赤軍派がまだ活動していた1990年代に彼女が関与したとされる3件の政治的攻撃については、別途手続きが進められる予定です。
かつての政治的信念が、組織解散後の長い年月を経て「生活のための犯罪」へと変貌していった経緯は、時代の変遷と共に、かつての過激主義がどのような結末を迎えるのかを静かに物語っています。
Reference(s):
German far-left militant jailed after being fugitive for 30 decades
cgtn.com