30年の逃亡生活に幕。元「ドイツ赤軍」メンバーに禁錮13年の判決
30年という長い年月、当局の目を盗んで生き延びた元過激派メンバーの逮捕と判決は、現代のドイツ社会に過去の記憶を呼び起こさせました。かつて国を揺るがせた過激派組織の元メンバーが、逃亡中の「資金調達」のために行っていた犯罪に、ついに司法のメスが入りました。
ベルリンでの逮捕と衝撃的な家宅捜索
ダニエラ・クレット被告(67歳)が逮捕されたのは2024年2月、ベルリンにある自身のマンションでした。30年以上にわたる逃亡生活に終止符が打たれた瞬間です。
警察による家宅捜索では、逃亡者の実態を物語る衝撃的な物品が次々と押収されました。
- カラシニコフ自動小銃(アサルトライフル)
- 身分を偽装するためのウィッグ(かつら)や偽造身分証明書
- 大量の現金と金(ゴールド)
逃亡生活を支えた「緻密な強盗計画」
今回の判決で焦点となったのは、彼女が逃亡中に繰り返していた一連の強盗事件です。クレット被告が所属していた組織が1998年に解散した後、彼女は他のメンバーと共に、生活資金を確保するために犯罪に手を染めていました。
裁判所で明らかになった手口は、非常に計画的で大胆なものでした。
- 役割分担:ターゲットの下見や逃走車の運転を担当。
- 心理的威圧:一部の強盗事件では、本物そっくりの「偽バズーカ砲」を使い、共犯者がアサルトライフルで脅迫。
- 被害規模:スーパーマーケットや現金輸送車から、総額約280万ドル(約4億円相当)を奪ったとされています。
法廷の広報官であるアフマド・モハマド氏は、「犯罪意図が非常に高く、細部まで綿密に計画され、正確に実行されていた」と指摘しました。
背景にある「ドイツ赤軍(RAF)」という組織
クレット被告は、かつて「バアダー・マインホフ集団」としても知られた過激派組織「ドイツ赤軍(RAF)」のメンバーでした。このグループは1970年代から80年代にかけて、反資本主義を掲げて殺害、爆破、誘拐などの過激な活動を展開し、当時の西ドイツ社会に大きな衝撃を与えたことで知られています。
組織が解散した後も、彼女は潜伏し続けましたが、その生活を維持するために再び犯罪に手を染めたという皮肉な構造が見えてきます。
今後の展望と未解決の罪
裁判所は、1999年から2016年にかけて行われた「特に重大な強盗」6件に加え、恐喝や武器法違反などで、クレット被告に禁錮13年の判決を言い渡しました。弁護側は即座に控訴しています。
また、今回の裁判とは別に、1990年代に組織がまだ活動していた頃に行われた「政治的動機による3件の攻撃」についても別途手続きが進められており、彼女が背負う過去の罪はまだすべて精算されたわけではありません。
Reference(s):
German far-left militant jailed after being fugitive for 30 years
cgtn.com