ルーマニアの住宅街にロシア製ドローンが衝突、2人が負傷:NATO東方境界の緊張高まる video poster
NATO(北大西洋条約機構)加盟国であるルーマニアの住宅街にロシア製のドローンが衝突し、2人が負傷しました。紛争開始以来、ルーマニアの人口密集地で人的被害が出たのは今回が初めてであり、ロシアによる軍事行動が国境を越えて拡大している懸念が強まっています。
住宅街のマンションを直撃、住民に避難命令
事件が発生したのはルーマニア南東部の都市ガラツィです。ロシア製のドローン「ゲラン2」が10階建てのマンションの屋上に衝突し、爆発が起こりました。この影響で10階の住戸から出火し、住民70人が避難する事態となりました。
当局の発表によると、被害状況は以下の通りです:
- 負傷者:女性と子供の2人が軽傷を負い、病院へ搬送されました。
- その他の被害:パニック状態に陥った2人が現場で治療を受けました。
低空飛行による検知の困難さと対応の限界
ルーマニア軍のゲオルゲ・マキシム准将は記者会見で、ドローンがルーマニア領空内にいた時間はわずか4分間だったと説明しました。特に問題となったのは、ドローンが非常に低い高度で飛行していたため、レーダーでの検知が困難だった点です。
ルーマニア側はF-16戦闘機2機と軍用ヘリコプターを緊急発進させ、迎撃の権限を与えていましたが、都市部という環境が制約となりました。米国製の対ドローンシステム「Merops」は運用されていたものの、人口密集地での使用はリスクが高すぎると判断され、使用に至らなかったといいます。
「国際法の重大な違反」として外交的緊張へ
今回の事態を受け、ルーマニアのオアナ・トイユ外相は「国際法の重大な違反である」と強く非難し、ロシア大使を外務省に召喚しました。また、対ドローン能力を早急に強化するため、必要な措置を講じるよう要請しています。
国際社会からも厳しい声が上がっています:
- NATO報道官:「ロシアの無謀さを非難する。あらゆる脅威に対し防衛を強化し続ける」とX(旧Twitter)に投稿。
- 欧州委員会(ウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長):ロシアが「また新たな一線を越えた」と言及。
繰り返される領空侵犯と不安定な情勢
ルーマニアはウクライナと約650kmの国境を接しており、ロシアがドナウ川沿いのウクライナ港湾都市を攻撃する中で、これまでに28回もの領空侵犯が発生しています。
こうした状況はルーマニアに限らず、近年のバルト三国などでもウクライナ側のドローンが誤って領空に侵入する事例が報告されており、東欧地域全体で空域の管理と安全保障への不安が広がっています。意図せぬ衝突がさらなる緊張を招くリスクを抱えながら、各国は防衛体制の再構築を迫られています。
Reference(s):
Romania says Russian drone struck apartment block, injuring two
cgtn.com
