イラン、米・イスラエル関連船にミサイル攻撃 激化するホルムズ海峡の緊張
イラン革命防衛隊(IRGC)が、米国およびイスラエルに関連する船舶に対して巡航ミサイル攻撃を行ったことを発表し、世界的に重要な航路であるホルムズ海峡周辺の緊張が一段と高まっています。
船舶「MSC Sariska V」への攻撃と背景
イラン革命防衛隊の海軍は、6月1日(月)深夜、パナマ船籍の船舶「MSC Sariska V」を標的とした巡航ミサイル攻撃を実施したと発表しました。この船舶は米国およびイスラエルに関連しているとされており、イギリス海事貿易運用局(UKMTO)によると、イラクのウムカスル南東約40海里を航行中に大きな爆発が発生したとのことです。
イラン側はこの攻撃について、オマーン湾でイランの商船「Lian Star」が米軍から攻撃を受けたことへの報復であると主張しています。また、今後も地域における米軍のいかなる攻撃に対しても「決定的な」対応を取るとして、強い警告を発しています。
連鎖する報復攻撃の構図
今回の船舶攻撃に至るまで、イランと米国の間では数日間にわたり散発的な衝突が続いていました。直近の動きを整理すると、報復の連鎖が鮮明になります。
- 米軍の行動: 米中央軍は5月31日(日)、イラン国内のレーダー拠点やドローンの指揮管制サイトに対し「自衛のための攻撃」を実施しました。これは、国際水域で運用されていた米軍の無人機(MQ-1ドローン)がイランによって撃墜されたことへの対応とされています。
- イランの反撃: これに対しイラン革命防衛隊は、米軍がシリーク島の通信塔を攻撃した際に使用した空軍基地を標的に攻撃を行い、予定していたすべての目標を破壊したと主張しています。
ホルムズ海峡における「封鎖」の現状
現在、ホルムズ海峡では双方による船舶の通行制限という、非常に危うい状況が続いています。
イラン側は、米国とイスラエルによる自国領土への共同攻撃を受けた2月28日以降、両国およびその関連船舶の通行を禁止し、海峡の支配力を強めています。一方で米国も、イランの港へ向かう、あるいはそこから出港する船舶の通行を妨げる海軍封鎖を実施しています。
こうした緊張状態の中で、イラン革命防衛隊は6月1日の24時間以内に、4隻の石油タンカーを含む計15隻の船舶が、同軍の許可を得て調整の上で海峡を通過したことを報告しました。これは、海峡の通行権が実質的に軍事的なコントロール下に置かれている現状を浮き彫りにしています。
エネルギー輸送の要衝であるこの海域で、軍事的な衝突が常態化しつつある現状は、単なる二国間の対立を超え、世界経済や物流への影響という視点からも注視されるべき局面を迎えています。
Reference(s):
cgtn.com



