南アフリカで移民への暴力が再燃、政府は犠牲者数を否定しガーナとの緊張高まる
南アフリカで再び激化した移民への暴力問題を巡り、政府が犠牲者の数について異議を唱える一方で、ガーナなどの近隣諸国との外交的な対立が深まっています。この問題は単なる治安維持の枠を超え、アフリカ域内での人権と政治的責任を問う事態へと発展しています。
犠牲者の数巡る「認識のズレ」
南アフリカのロナルド・ラモラ国際関係協力大臣は、最近の暴力的な混乱の中でナイジェリア人が殺害されたという報告について、「利用可能な情報では全く根拠がない」と全面的に否定しました。
また、モザンビーク人の犠牲者数についても、マプト(モザンビークの首都)側が報告した5人という数字に対し、実際は2人であるとしています。ラモラ大臣は、亡くなった2名について深い遺憾の意を表明しつつ、警察による徹底した捜査と責任の追及を求めています。
ガーナによるAUへの提訴と政治的対立
この事態に対し、ガーナのサミュエル・オクゼト・アブラクワ外相は、南アフリカ政府に危機を解決する「政治的な意志」が欠けていると強く批判しています。
ガーナ政府は、今回の暴力行為が「アフリカ人権憲章」に抵触すると主張し、アフリカ連合(AU)に正式な抗議文を提出しました。主な論点は以下の通りです。
- なぜ同様の事件が繰り返し発生するのかという説明の要求
- 決定的な解決策を講じない政府の姿勢への疑問
- 加害者に対する制裁が不十分であることへの不満
これに対しラモラ大臣は、ガーナによる提訴を「根拠のないもの」として、断固として対抗する姿勢を見せています。同時に、ガーナへ送還された人々の多くが不法滞在者であったことを強調し、外交的な礼節を欠いた不完全な情報による騒動に耐えることはできないと反発しています。
加速する本国への帰還の流れ
外交的な緊張が高まる中、実際に南アフリカに滞在する人々の中には、不安から本国への帰還を選択する動きが広がっています。
特にナイジェリアでは、政府の主導による自発的な帰還に向けた準備が進んでいます。ナイジェリアDiaspora委員会(NiDCOM)によると、すでに1,000人以上のナイジェリア人が帰還に向けた審査を受けているとのことです。
アフリカ人権委員会は以前、南アフリカ政府に対し、単なる非難声明にとどまらず、再発防止と責任明確化のための「迅速かつ具体的で持続的な措置」を講じるよう促していました。表面的な否定や外交的な応酬ではなく、実効性のある対策が急がれる局面を迎えています。
Reference(s):
South Africa denies that Nigerians killed in anti-immigrant violence
cgtn.com
