宇宙から地上へ電力を届ける?中国の「逐日」プロジェクトが挑むワイヤレス送電の未来
宇宙に巨大な太陽光発電所を建設し、そこで得たエネルギーを地上や宇宙空間にワイヤレスで届ける。SF映画のような話ですが、この壮大なビジョンが現実のものになろうとしています。
宇宙の「モバイルバッテリー」を目指して
中国が推進している「逐日(Zhuri)」プロジェクトは、宇宙空間での太陽光発電と、それを効率的に転送する技術の開発を目指した取り組みです。地球上での太陽光発電は、天候や昼夜のサイクルに大きく左右されますが、宇宙空間であれば、ほぼ24時間、極めて効率的にエネルギーを回収することが可能です。
キロワット級の送電に成功、移動体への供給も実現
このプロジェクトは現在、実験段階にありますが、すでに実用化に向けた重要なステップをクリアしています。最近の成果として、以下のような技術的進展が報告されています。
- キロワット級の無線送電:数百メートルの距離を隔てて、キロワット単位の電力を無線で転送することに成功しました。
- 移動ターゲットへの送電:停止している物体だけでなく、移動している複数のターゲットに対しても、正確に電力を届けるテストを成功させています。
エネルギーの常識を変える可能性
この技術がさらに発展し実用化されれば、単に地上への電力供給にとどまらず、多方面への応用が期待されます。
- ドローンや衛星の長時間運用:バッテリーの重量制限や燃料補給の必要がなくなり、長期間の連続活動が可能になります。
- 深宇宙探査のサポート:太陽から遠く離れた深宇宙へ向かう探査機に対し、外部から電力を供給する新たな手段となる可能性があります。
エネルギーを「蓄えて運ぶ」のではなく、「必要な場所に飛ばす」という考え方への転換は、私たちのインフラのあり方を根本から変える可能性を秘めています。静かに、しかし確実に進むこの技術革新が、どのような未来を切り拓くのか、今後の展開が注目されます。
Reference(s):
Could a space 'power bank' really beam electricity to Earth?
cgtn.com



