南中国のGuinan School 畑とアートで育てる「よりよい世界」の学び video poster
南中国にあるGuinan Schoolは、校舎全体が「屋外美術館」のような空間になっている学校です。校訓「Make yourself a part of the better world(よりよい世界の一部になろう)」を合言葉に、農業クラスと美的教育(美育)を日常の授業に組み込み、学びと生活とアートを一体化させています。
「よりよい世界の一部になる」校訓から生まれた教育
Guinan Schoolの特徴的なカリキュラムの出発点にあるのは、この校訓です。単に知識を身につけるだけではなく、自分の手を動かし、周りの人や自然と関わりながら、「よりよい世界」に参加していく人を育てることが、学校のめざす姿だといえます。
そこで同校は、教室の中だけで完結しない学びとして、農業クラスと美育のプログラムを発展させてきました。生徒が自ら考え、つくり出し、共有するプロセスそのものを教育の中心に据えている点が特徴です。
畑で学ぶ「農業クラス」
農業クラスでは、土に触れ、植物を育てることが授業になります。種をまき、水をやり、季節ごとの変化を観察する経験は、教科書だけでは得られない実感を生徒にもたらします。
- 自然の循環を体で理解する
- 仲間と協力して作業することで、協調性や責任感を育む
- 収穫の喜びを分かち合うことで、感謝や分かち合いの感覚を身につける
こうした経験を通じて、生徒たちは「食べ物がどこから来るのか」「自分たちの行動が環境にどう影響するのか」といった問いを、自分ごととして考えるようになります。
校舎全体がオープンエア・ギャラリーに
もうひとつの柱が、美的教育です。Guinan Schoolのキャンパスには、生徒たちが制作した絵画や立体作品、インスタレーション(空間全体を使った作品)が所狭しと並び、まるで屋外美術館のような風景が広がっています。
作品は教室や廊下だけでなく、中庭や壁面、階段など、学校中のあらゆる場所に展示されます。通学のたびに目に入るのは、教科書の図ではなく、自分や友だちが作り出した色と形です。
この「オープンエア・ギャラリー」の発想には、表現することを特別な才能のある一部の人に限らず、すべての子どもたちの日常に開いていきたいという思いがあります。学校そのものをキャンバスととらえることで、生徒は「自分のいる場所を、自分の手で少しずつ良くしていける」という感覚を身につけていきます。
子どもたちの成長に見える変化
農業クラスと美育が組み合わさることで、Guinan Schoolの教育は次のような力を育んでいると考えられます。
- 主体性:自分で計画を立て、手を動かし、作品や作物という「成果」を形にする経験を重ねることで、「やってみよう」と一歩踏み出す力が育ちます。
- 創造性:アート制作だけでなく、畑のレイアウトや展示の仕方まで、自分で工夫して決める場面が多く、発想力が鍛えられます。
- 共感力:作品や畑しごとを通じて他者と協力し、相手の考えを尊重することが求められるため、他者を理解しようとする姿勢が自然と身につきます。
- 持続可能性への感度:自然と向き合いながら学ぶことで、環境問題や「持続可能な社会」に対する関心も育ちます。
「学び」と「世界」がつながる学校として
2025年のいま、世界各地で教育の在り方が問い直されています。南中国のGuinan Schoolのように、農業とアートを日常の学びに取り込む試みは、知識偏重の教育から一歩踏み出すヒントとして注目されます。
校訓「Make yourself a part of the better world」は、単なるスローガンではなく、畑しごとや作品制作、そしてオープンエア・ギャラリーという具体的な形となって、子どもたちの日々の体験に落とし込まれています。
自分の暮らす地域や学校を「少しでも良くする」ことから、よりよい世界づくりに参加していく──Guinan Schoolの取り組みは、そうした学びのあり方を静かに体現していると言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








