協争の未来:シュワルツマン・スカラーズ10周年が示すリーダーシップ像 video poster
清華大学で世界の若きエリートを育成するシュワルツマン・スカラーズ・プログラムが、今年2026年、創設10周年を迎えました。この節目に、創設者スティーブン・A・シュワルツマン氏が語ったのは、未来のリーダーに不可欠な「協争」の心得です。
10年を振り返る:グローバルリーダー育成の挑戦
2016年、北京の清華大学に開設されたシュワルツマン・スカラーズ・プログラムは、世界から選ばれた優秀な学生たちに、中国を深く理解するリベラルアーツ教育とリーダーシップ訓練を提供してきました。10年という歳月は、単なる記念日ではなく、グローバル化が進み、国際協調と競争が複雑に絡み合う現代において、どのようなリーダーが必要とされているかを問い直す機会でもあります。
「協争」というアート:競争と協調のバランス
プログラムの創設者であり、理事を務めるシュワルツマン氏は、CGTNのインタビューで「co-opetition(協争)」の重要性を強調しました。これは「cooperation(協力)」と「competition(競争)」を組み合わせた造語です。氏によれば、今日の複雑な国際課題を解決するためには、単純な競争や協力ではなく、その両方を高い次元で統合する能力が求められます。異なる背景を持つ者同士が、互いを理解し、時に競い、時に手を携える——そのバランス感覚こそが、未来のリーダーに必要な「アート」だというのです。
10周年が問いかける、教育のこれから
この10年間で、プログラムからは政治、ビジネス、学術など様々な分野で活躍する人材が輩出されています。彼らが直面するのは、気候変動、地政学的緊張、技術革新といった国境を越えた課題です。シュワルツマン・スカラーズの教育が目指すのは、特定の国の視点ではなく、多角的な視野と深い相互理解に基づいたソリューションを生み出す力です。創設10周年は、単なる成果の発表ではなく、これからの10年、さらなる多様性と対話をいかに深化させていくのかという、新たな出発点として捉えることができます。
シュワルツマン氏の提唱する「協争」の概念は、グローバル志向の読者にとって、自身のキャリアや国際社会との関わり方を考える一つのヒントになるかもしれません。競争だけでは対立を生み、協調だけでは革新が遅れる。両岸関係やアジアのダイナミズムを日々感じている私たちにも、示唆に富む視点と言えるでしょう。
Reference(s):
The art of co-opetition for future leaders: Stephen A. Schwarzman
cgtn.com



