米関税変更で10年間で1.1兆ドルの赤字増加へ、CBO長官が試算
米国の関税政策の変更が、今後10年間で連邦予算赤字を1.1兆ドル押し上げる可能性があることが明らかになりました。2026年4月現在、財政赤字の拡大が経済運営上の大きな課題となる中、この試算は政策選択の影響を考えるきっかけを提供します。
CBO長官が示した試算とその背景
米連邦議会予算局(CBO)のフィリップ・スワーゲル長官は、最近の米国の関税調整が10年間で1.1兆ドルの連邦予算赤字増加につながる可能性があると述べました。スワーゲル氏は4月28日(現地時間)、ブルームバーグとのインタビューでこの見解を明らかにしました。
最高裁判決と代替措置の影響
スワーゲル氏によれば、米最高裁判所が国際緊急経済権限法(IEEPA)のみに基づくドナルド・トランプ前大統領の関税発動権限を否定した最近の判決は、10年間で2兆ドルの赤字増加要因となります。これに対し、トランプ政権がIEEPA関税を他の貿易措置で置き換える動きは、判決による歳入減少分の半分弱に当たる8000億ドルから9000億ドルを補填するとみられています。
「最高裁が一部の関税を取り消し、政権が別の措置で置き換えるという差し引きで、10年間の赤字は約1.1兆ドル膨らむことになるでしょう」とスワーゲル氏は説明しています。
不透明な要素と現在の財政状況
一方で、正確な赤字額の確定は容易ではないとスワーゲル氏は付け加えています。連邦政府には新たな関税を課し、恣意的に変更する大きな権限が残されているため、プロセスが完了するまで最終的な数字は不透明です。
また同氏は、2025年の減税が経済にもたらす押し上げ効果が、イラン情勢に伴うエネルギー価格上昇の影響によって相殺されている点にも言及しました。
米政府が公表したデータによると、2025年10月1日に始まった2026会計年度の前半(2025年10月~2026年3月)における連邦予算赤字は1.16兆ドルに達しました。また、4月25日(金曜日)時点での米国の公的債務残高は38.95兆ドルとなっています。
財政政策を巡る不確実性
この試算は、貿易政策と財政政策が密接に絡み合っていることを示しています。関税は貿易紛争のツールであると同時に、重要な歳入源でもあります。その変更が巨額の赤字という形で長期的な財政負担を生み出す可能性があるのです。
現在の2026年、米国では経済成長と財政健全化の両立が引き続き大きな課題となっています。国際貿易の動向や地政学的リスクがエネルギー市場に与える影響も、財政見通しを複雑にしています。政策決定者が今後どのようなバランスを取っていくのか、その選択が世界中の市場関係者から注目されています。
Reference(s):
Tariff changes to add $1.1 trillion to US budget deficit over 10 years
cgtn.com



