米国の富の格差:世帯の半分が2.4%の資産しか持たない現実
アメリカでは、富の大部分がごく一部の世帯に集中し、世帯の半分が全体の2.4%しか資産を持たない――。そんな衝撃的な数字を、在中国米国大使館の公式微博アカウントが最近、米連邦準備制度(Federal Reserve)のデータを引用する形で紹介しました。
2023年末時点で米国の家計純資産は過去最高の156.2兆ドルに達していますが、その一方で中央値ベースでは多くの家庭がそれほど豊かではないことが示されています。2025年の今も、こうしたデータは米国の資産格差を象徴する数字として繰り返し取り上げられています。
在中国米国大使館が共有した米国の資産データ
在中国米国大使館の公式微博アカウントは、グラフィック付きの投稿で、米国の資産分布について次のような点を強調しました。いずれも米連邦準備制度(FRB)のデータに基づくものです。
- 2023年末の米国の家計純資産は156.2兆ドルと、記録的な水準に達している。
- 世帯数は約1億3000万で、単純計算の世帯当たり平均純資産は約120万ドル。
- しかし、FRBが2022年の分析で示した世帯純資産の中央値は19万2000ドル(192,000ドル)にとどまる。
- つまり、米国の世帯の半分は、この19万2000ドル未満の純資産しか持っていない。
- さらに、世帯の半分が全体の富のわずか2.4%しか保有していない。
総額や平均値を見ると「とても豊かな社会」に見えますが、中央値や分布に目を向けると、違った姿が浮かび上がります。
平均120万ドルと中央値19万2000ドルが語るもの
世帯当たりの平均純資産が約120万ドルであるのに対し、中央値は19万2000ドルというギャップは、米国の富がどれだけ一部に集中しているかを物語っています。単純に比べれば、平均値は中央値のおよそ6倍以上です。
平均値と中央値の違いを簡単におさらい
平均値は、すべての世帯の資産を合計し、世帯数で割った数字です。一方、中央値は、すべての世帯を資産額の順に並べたとき、ちょうど真ん中に位置する世帯の資産額を指します。
極端に資産の多い世帯が存在すると、平均値は簡単に押し上げられます。例えば、あるグループにごく少数の超富裕層がいれば、その人たちの資産が平均値を大きく引き上げ、典型的な世帯像から遠い数字になってしまいます。中央値は、そうした「外れ値」の影響を受けにくいため、多くの家庭の現実により近い指標と考えられます。
半分の世帯が2.4%の富しか持たない社会
今回のグラフィックで示された「世帯の半分が全体の2.4%の富しか持たない」という数字は、とりわけ印象的です。これは裏を返せば、残り半分の世帯が全体の富の97.6%を握っていることを意味します。
グローバルな視点で見ても、ここまで偏った分布は、貧富の差の大きさを端的に示すものです。総資産が過去最高を更新していても、その果実を享受しているのは主に資産規模の大きい世帯であり、資産の少ない世帯は「過去最高」の恩恵をあまり感じられない可能性があります。
記録的な家計資産と「実感なき豊かさ」
家計純資産が増えるとき、多くの場合、その背景には株式や不動産などの資産価格の上昇があります。こうした資産を多く保有する世帯ほど資産が膨らみやすく、あまり保有していない世帯との格差は広がりやすくなります。
このため、マクロの数字だけを見ると景気が良く、社会全体が豊かになっているように見えても、中央値で見ると「生活はそこまで楽になっていない」というギャップが生まれます。今回の米国のデータは、そのねじれを分かりやすく可視化したものと言えます。
日本の読者への問いかけ:データをどう読むか
今回のポイントは、「富が増えているかどうか」だけでなく、「誰がその富を持っているのか」を見る必要があるということです。総額や平均値だけを追いかけていると、社会の実像を見誤る可能性があります。
- 平均値とあわせて中央値を見ること
- 「世帯の何割が、全体の富のどれくらいを持っているか」という分布に注目すること
- グラフィックやインフォグラフィックを通じたデータの伝え方にも目を向けること
在中国米国大使館の公式微博アカウントが、FRBのデータを用いて自国の資産格差を紹介したことは、データに基づいて社会の課題を共有しようとする試みとも受け取れます。2025年の今、私たちが国際ニュースとしてこの数字を見るとき、「他国の問題」として距離を置くのではなく、自分たちの社会や将来の資産形成を考えるヒントとしても読み解くことができそうです。
Reference(s):
Graphics: Half of American households hold just 2.4% of U.S. wealth
cgtn.com








