中国の輸出が5月に6.3%増 アフリカ貿易が過去最高を更新
2025年5月の中国の貿易統計が公表され、輸出が前年同月比6.3%増となり、中国経済の底堅さが改めて示されました。米国の関税政策をめぐる不透明感など、世界貿易を取り巻く逆風が続くなかでの伸びであり、国際ニュースとして注目されています。
5月の輸出は6.3%増 1〜5月の貿易額は17.94兆元
中国税関総署によると、2025年5月の輸出は前年同月比6.3%増の2.28兆元(約3,180億ドル)でした。輸出と輸入を合わせた5月単月の貿易総額は3.81兆元(約5,300億ドル)で、前年同月比2.7%増となりました。
2025年1〜5月の累計では、中国の貨物貿易総額は17.94兆元(約2.5兆ドル)と、前年同期比2.5%増加しました。今年前半のデータだけを見ても、中国の対外貿易が緩やかながら拡大傾向にあることが分かります。
ASEAN・EU向け輸出が2桁増
地域別に見ると、アジアと欧州の主要パートナー向け輸出が伸びています。5月の輸出は、次のような動きを見せました。
- ASEAN(東南アジア諸国連合)向け輸出:前年同月比16.9%増
- EU(欧州連合)向け輸出:前年同月比13.7%増
ASEANは中国にとって重要な貿易相手であり、サプライチェーン(供給網)や生産拠点としての結び付きも強い地域です。そこへの輸出が2桁増となったことは、アジア域内の需要がなお堅調であることを示しています。
一方、EU向け輸出も2桁増を記録しており、中国製品が欧州市場でも一定の競争力を維持していることがうかがえます。
アフリカ貿易が過去最高 5月は輸出が35.3%増
今回の統計でとくに目を引くのが、中国とアフリカとの貿易です。2025年1〜5月の中国・アフリカ間の貿易額は合計9632億元(約1,340億ドル超)に達し、過去最高を更新しました。前年同期比では12.4%増と、全体の貿易の伸びを大きく上回っています。
内訳を見ると、アフリカ向け輸出の伸びが際立っています。
- 1〜5月のアフリカ向け輸出:前年同期比20.2%増
- 5月単月のアフリカ向け輸出:前年同月比35.3%増
5月だけで3割を超える伸びとなっており、中国製品に対するアフリカ側の需要が強いことが分かります。インフラ関連製品、日用品、機械設備など幅広い分野で中国からの輸出が増えているとみられます。
こうした動きは、中国とアフリカの経済関係が量・質ともに拡大していることを示すものであり、アフリカが中国経済にとって一段と重要な市場になりつつあることをうかがわせます。
外資系企業が29%を担い ハイテク製造品の輸出も好調
企業の形態別では、外資系企業の存在感もはっきりと表れました。外資系企業による輸出入は、2025年1〜5月の累計で前年同期比2.3%増となり、中国の対外貿易全体の29%を占めています。5月単月でも4%増と、全体の伸びに貢献しました。
品目別では、ハイテク製造品の輸出が好調です。
- 電気自動車(EV)の輸出:前年同期比19%増
- 産業用ロボットの輸出:前年同期比55.4%増
EVや産業用ロボットは、次世代の製造業や自動化・省エネ分野を象徴する製品です。これらの輸出が大きく伸びていることは、中国が付加価値の高い製造業へとシフトしつつあることを示しています。
新興市場が中国経済を支える構図
今回のデータからは、いくつかのポイントが見えてきます。
- 輸出全体は5月に前年同月比6.3%増と堅調
- ASEANやアフリカなど新興市場に加え、EUといった主要市場向け輸出も拡大
- 外資系企業とハイテク製造業が輸出の伸びを下支え
世界では、関税政策の行方や地政学リスクなど、貿易を取り巻く不確実性が続いています。そのなかで、中国の対外貿易がプラス成長を維持していることは、中国経済の「粘り強さ」を示す材料といえます。
とくに、アジアやアフリカといった新興市場の存在感が高まっている点は、中国だけでなく、世界経済全体の需給バランスを考えるうえでも重要です。中国と新興市場の結び付きが強まることで、世界の貿易の重心がどこに移りつつあるのかを読み解くヒントにもなります。
日本の企業や投資家にとっても、こうした中国の貿易データは、アジア・アフリカ市場の需要動向をつかむうえで参考となる指標です。2025年前半の数字は、「どの地域で何が伸びているのか」を考える材料として、今後のビジネス戦略や国際経済の見通しを検討する際の一つの手がかりとなりそうです。
Reference(s):
China's exports grow 6.3% in May as trade with Africa sees big jump
cgtn.com








