中国で2025年大学卒1222万人 就職支援の大規模強化
2025年、中国では過去最多となる約1222万人が大学を卒業予定です。その就職を支えるため、政府が全国規模で雇用支援策を総動員しています。
過去最多の大学卒業予定者、背景にある数字
中国の大学卒業生数は増加が続いており、2022年には初めて1076万人を突破しました。その流れは続き、2025年には約1222万人が労働市場に新たに加わる見通しで、前年より約43万人多いとされています。
こうした急速な増加に対応するため、中国政府は2025年卒業生向けに段階的かつ総合的な雇用支援戦略を打ち出しました。
雇用拡大のカギはチャネルの多様化
政府のキーワードは、雇用チャネルの拡大と雇用機会そのものの創出です。民間企業や中小企業の雇用維持・雇用創出を促すための政策支援が強化されており、一時的な雇用拡大補助金の対象も広がりました。
これまで企業のみが受け取れたこの補助金は、2025年からは社会組織にも適用されることになり、多様な雇用主が大学卒業生を採用しやすくする仕組みが整えられています。
さらに教育部などは、地方企業と大学の情報ギャップを埋めることを目的に、2025年6月以降「100県と100大学」を結ぶ採用キャンペーンを展開しました。
- 浙江省寧波市でのイベントでは、7000件超の求人が提示
- 広西チワン族自治区の首府・南寧市では、1万5000件超のポストが用意
- 同様の就職フェアが今後も各地域で予定されているとされます
キャンパス発の大型就職フェア、現場の空気
こうした雇用支援は、キャンパスにも直接届いています。中国南部の広西医科大学では、医療、人工知能(AI)、教育など幅広い分野の雇用主が集まる大規模な就職フェアが開催されました。
行政系の病院での勤務を希望する学生のHuang Chenxiさんは「このような大規模なフェアがあると、雇用主と直接向き合うことができて助かります」と語り、現場での対話の機会が大きいと感じているようです。
新産業が若者の主要な受け皿に
雇用の受け皿として期待されているのが、新しい産業やビジネスモデルです。北京市社会科学院の研究員であるWang Peng氏は、新産業や新たな業態、経済の新しいパラダイムが、中国経済のイノベーション主導の発展を支える重要な原動力になっていると指摘します。
こうした新分野は雇用の伸びを生み出しており、大学卒業生を吸収する主要なチャネルとしての存在感を高めているとされています。2025年卒業生の就職先としても、これらの分野が大きな比重を占めつつある状況がうかがえます。
教育段階からの対応 マイクロ専攻とスキル強化
変化の速い労働市場で活躍するには、学位だけでなく産業に直結するスキルが求められます。中国の教育部は、こうしたニーズに応えるため、全国規模のプログラムを立ち上げました。
具体的には、卒業前から学生の実務能力を高めることを狙いとして、2600以上の「マイクロ専攻」と、1100を超える専門的な研修コースが新設されています。マイクロ専攻とは、特定の分野に絞って短期間で集中的に学ぶ小規模なプログラムで、AIや先端医療など需要の高い分野に焦点が当てられています。
AIとビッグデータを活用する全国就職プラットフォーム
就職支援の「インフラ」として機能しているのが、大学卒業生向けの全国就職サービス・プラットフォームです。このサイトはデジタル面で刷新され、AI(人工知能)やビッグデータを活用した機能が搭載されました。
民間の求人サイトや各大学との連携も強化され、求人情報と学生側の希望をより効率的にマッチングできるようになっています。2025年卒業予定者向けには、これまでに111回のオンライン就職フェアが開催され、掲載された求人は累計で2000万件を超えています。
地方レベルの支援と、支援が届きにくい層へのフォーカス
国レベルの取り組みに加えて、各地の政府も独自の工夫を進めています。中国東北部の吉林省では、69人の人事担当官が69の地元大学それぞれに割り当てられ、学生向けにきめ細かな就職支援やガイダンスを行っています。
2025年7月の卒業シーズンのピークに向けては、まだ就職先が決まっていない学生、とくに経済的に恵まれない家庭の学生への支援が強化されました。財政省の資金支援を受け、教育部は2025年卒業予定者を対象にした専用の就職フェアを1124回開催し、約110万件のターゲットを絞ったポストを用意したとされています。
8月末まで続くオンライン支援とその先
支援を途切れさせないために、全国就職プラットフォームを通じたオンラインでの取り組みも重ねられました。発表によれば、研究補佐ポストとライブ配信型の就職フェアを組み合わせた特別なオンラインキャンペーンは、2025年8月末まで継続する計画とされました。
一連の施策からは、教室から職場への移行をできるだけスムーズにし、卒業生の能力が生かされる場を広げようとする中国の姿勢が読み取れます。2025年も終盤に差しかかるなか、こうした取り組みが若者の雇用にどのような影響をもたらしたのか、今後も注目が集まりそうです。
Reference(s):
China rolls out sweeping employment push for 2025 college graduates
cgtn.com








