中国コスメが世界で存在感 輸出拡大とSNS発ブランドの戦略
中国の化粧品、いわゆる中国コスメが、2025年に入って海外市場で存在感を一段と高めています。輸出額の伸びと東南アジアでの販売拡大は、世界のビューティ業界の勢力図が静かに変わりつつあることを示しています。
2025年上半期、中国の化粧品輸出は12%増
中国税関のデータによると、2025年上半期の中国の化粧品輸出は前年同期比12%増となり、取引額は187億元、米ドル換算で約26億ドルに達しました。中国コスメの国際ニュースとしては、着実な二桁成長が続いていると言えます。
主な輸出先は、アメリカ、イギリス、インドネシア、オランダ、日本となっており、先進国市場と新興国市場の両方で受け入れられていることが分かります。価格だけでなく、品質やトレンド対応力でも評価が広がっている可能性があります。
東南アジアのマススキンケア市場で115%成長
市場調査会社ユーロモニターのデータによれば、2019年から2024年にかけて、中国ブランドは東南アジアのマススキンケア市場で年平均115%という高い成長率を記録しました。ここでいうマススキンケア市場とは、日常的に手が届きやすい価格帯のスキンケア製品の市場を指します。
つまり、東南アジアでは、ドラッグストアやオンラインモールで買える身近な価格帯のスキンケア分野で、中国コスメが急速にシェアを伸ばしてきたことになります。中間層の拡大やオンライン購入の定着といった環境変化と相まって、中国ブランドの勢いが可視化された形です。
Y.O.UやSkintificなど新興ブランドが台頭
こうした流れをけん引しているのが、新興の中国コスメ企業です。Hebe Beauty Cosmeticsは、Y.O.UやDazzle Meといったブランドを展開し、急成長企業の一つとされています。また、広州を拠点とするGuangzhou Feimeiは、スキンケアブランドSkintificを通じて存在感を高めています。
これらの企業は、長年市場をリードしてきたロレアルやユニリーバといった大手と競合するポジションに急速に近づいているとされます。グローバルブランドの寡占状態だったビューティ市場に、中国発の選択肢が増えつつあると言えるでしょう。
コストパフォーマンスとデジタル戦略が武器
中国コスメブランドの強みとしてまず挙げられるのが、コストパフォーマンスの高さです。手に取りやすい価格帯でありながら、成分やパッケージ、ブランド世界観に力を入れることで、日常使いとトレンド消費の両方のニーズを取り込んでいます。
さらに、中国ブランドはShopeeやLazadaといった東南アジアのECモールや、TikTokのような短尺動画プラットフォームを積極的に活用しているとされています。インフルエンサーのレビュー動画やライブ配信を通じて、現地の若い消費者に直接リーチできる点が、大手ブランドとの差別化にもつながっています。
日本を含む海外市場への影響
日本も中国コスメの主要な輸出先の一つとして挙げられています。これまで韓国コスメや欧米ブランドが中心だった日本の店頭やオンラインストアで、中国ブランドの存在感がじわじわと高まっていく可能性があります。
消費者にとっては、次のような変化が起きるかもしれません。
- 価格帯やコンセプトの異なるブランドが増え、選択肢が広がる
- オンライン限定や海外EC発のブランドが、短期間で話題化するケースが増える
- 成分表示や安全性、サステナビリティへの関心が一段と高まり、比較する目が厳しくなる
国際ニュースとして見れば、中国コスメの台頭は、単なる一国の輸出拡大にとどまらず、デジタルプラットフォームを通じてビューティ市場そのもののルールが書き換えられつつある動きと捉えることもできます。
これから注目したいポイント
今後、読者としてウォッチしておきたいポイントを整理すると、次のようになります。
- 中国コスメブランドが、各国の規制や安全基準にどう対応していくか
- 東南アジアや日本など地域ごとの肌質や文化に合わせた商品開発が進むか
- ロレアルやユニリーバなど既存大手が、中国ブランドの台頭を受けてどのような戦略を取るのか
- Shopee、Lazada、TikTokといったデジタルプラットフォームの影響力が、今後どこまで強まるか
中国の化粧品輸出が二桁成長を続ける現在、中国コスメは「安いから買う」という段階から、世界の選択肢の一つとして比較するフェーズに入りつつあります。日本の消費者やビューティ業界にとっても、その動きから目を離せないタイミングに来ていると言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








