中国、EUとの貿易・投資協定に前向き 投資協定も視野
中国とEUの貿易協定、交渉の可能性を中国商務省が示唆
中国商務省が、欧州連合(EU)との貿易・投資分野での協力を一段と深め、投資協定を含むさまざまな経済・貿易協定の交渉を検討する用意があると表明しました。国際ニュースとして、中国とEUの関係を重視する日本の読者にとっても、今後の世界経済の行方を考えるうえで重要な動きです。
「互恵協力を深化」 投資協定も視野に
商務省の報道官である何亜東(ハー・ヤードン)氏は木曜日の定例記者会見で、中国はEUと「互恵的な協力を深化させ」、貿易と投資の自由化・円滑化を高めるために、投資協定を含む各種の経済・貿易協定を交渉する可能性を探る用意があると述べました。
ここでいう「自由化・円滑化」とは、関税や非関税障壁を減らしたり、手続きの透明性を高めたりすることで、モノやサービス、投資が行き来しやすい環境を整えることを指します。発言は、制度面から両者のビジネス環境を整えていく姿勢を示したものといえます。
EUのFTA戦略に言及 「輸出市場の多角化」を注視
何氏はまた、中国の首都北京が、EUによる輸出市場の多角化の動きを注視していることも明らかにしました。EUは、より多くの自由貿易協定(FTA)を締結することで、特定の市場への依存を減らし、輸出先を広げようとする姿勢を示しています。
中国側がこうした動きに公に言及したことは、EUが進める貿易戦略を前提にしつつ、自らも協力や制度調整を通じて関係を深める余地があると見ていることを示していると受け止められます。
「高水準の開放」と国際ルールへの整合
何氏によると、中国(中国)は現在、「高水準の対外開放」を推進していると説明しています。具体的には、国際的に高い基準を持つ経済・貿易ルールと積極的に歩調を合わせるとともに、制度面での開放度合いを着実に高めていると強調しました。
これは、単に貿易量を増やすというだけでなく、貿易や投資をめぐるルールづくりの段階から国際基準に近づけ、企業にとって予見可能で安定したビジネス環境を整えていくというメッセージでもあります。
「広範な共通利益」と大きな協力余地
何氏は、中国とEUは「広範な共通利益」を共有し、貿易と投資の協力には「大きな潜在力」があると述べました。具体的な分野には触れていないものの、両者が長期的な関係深化の余地を意識していることがうかがえます。
今回の発言からは、対立点ではなく共通利益に焦点を当て、制度面の整備を通じて協力の余白を広げようとする姿勢がにじみます。実際にどのような協定交渉に発展していくのかは未知数ですが、少なくとも中国側がEUとの貿易・投資関係の強化を公に打ち出した意味は小さくありません。
私たちが注目したいポイント
日本の読者として押さえておきたいポイントを、簡単に整理します。
- 中国商務省が、EUとの投資協定を含む経済・貿易協定の交渉に前向きな姿勢を示したこと
- EUによる輸出市場の多角化やFTA拡大の動きを、中国側が明確に意識していると述べたこと
- 国際的な高水準の経済・貿易ルールとの整合や、制度的な開放拡大を重視していると強調したこと
- 対立よりも「広範な共通利益」と「協力の潜在力」を前面に押し出したこと
2025年12月現在、不確実性が高い世界経済の中で、中国とEUという大きな経済主体がどの方向に向かうのかは、日本経済や日本企業にも間接的な影響を与えます。今回の中国商務省のメッセージは、その方向性を読み解く上で注目すべき一つのサインといえそうです。
Reference(s):
cgtn.com








