消費と投資で持続的成長を目指す中国の第15次五カ年計画
新たな五カ年計画の焦点は内需拡大とクリーンエネルギー
中国は2026年から始まる新たな「第15次五カ年計画」において、家計消費の拡大と戦略的投資の促進を経済成長の柱として掲げています。国家発展改革委員会(NDRC)のウェン・チャンリン副主席が先週金曜日の記者会見で明らかにした計画の内容は、世界第二位の経済大国が「質の高い成長」へ舵を切る方向性を示しています。
消費を経済の「基本的な駆動力」に
計画の中心となるのは、国内消費市場の潜在力を引き出すことです。同主席は、中国の膨大な国内市場はまだ完全には実現されていないと指摘。2026年から2030年にかけて、専用の「消費拡大計画」を策定・実施し、家計が「収入を安定させて消費できる」「安心して消費できる」「より良い消費環境を享受できる」状態を目指すと説明しました。
- 収入の安定化: 消費の基盤となる家計収入の安定を図る。
- 安心感の醸成: 将来への不安を軽減し、消費意欲を後押しする。
- 環境の整備: 商品・サービスの質向上や消費者保護を強化する。
この取り組みは、長らく投資や輸出に依存してきた中国経済の構造を、より持続可能な消費主導型へと転換する試みと見られています。
投資の回復と民間活力の喚起
一方、投資面でも新たな動きが見られます。2026年第1四半期の固定資産投資は前年同期比1.7%増と、減少から成長に転じました。特にインフラ投資が比較的速い伸びを示しています。
今後の方針として、中国政府は政府投資を梃子にして民間投資を刺激する姿勢を示しました。中央予算投資7550億元(約11.07兆円)と超長期特別国債1兆元(約14.7兆円)の資金を、6月末までに大部分を配分することを目指すとしています。
さらに、民間セクターが主要プロジェクトに参加するための長期的なメカニズムの改善にも取り組み、重点分野としてデジタル経済、人工知能(AI)、商業宇宙産業といった高成長セクターを挙げています。これにより、イノベーションを牽引する分野への資本集中が図られる見込みです。
「10年倍増」で進むエネルギー転換
環境・エネルギー分野でも野心的な目標が設定されました。同計画は、非化石エネルギー(再生可能エネルギーと原子力)の供給に関する「10年倍増行動」を明記しています。
具体的には、2025年と比較して2030年までに非化石エネルギーの供給を大幅に増加させ、2035年までに2倍にすることを目指します。これは、中国が掲げる「炭素ピークアウト」(二酸化炭素排出量の頭打ち)目標と経済社会発展を両立させるための重要な施策です。新しいエネルギーシステムの構築を加速させ、脱炭素社会への移行を後押しする狙いがあります。
2026年4月現在、世界経済は不確実性に直面していますが、中国の新たな五カ年計画は、国内市場の掘り起こしと構造改革を通じて、自律的な成長サイクルの構築を志向していると言えるでしょう。その成否は、アジアひいては世界経済の行方にも影響を与えることになりそうです。
Reference(s):
China targets stronger consumption, investment in 15th Five-Year Plan
cgtn.com








