上海ファッションウィークは「世界のファッション首都」 南アデザイナーの視点 video poster
南アフリカの著名デザイナーたちが、今年の上海ファッションウィークで中国・上海のランウェイに立ちました。彼らの言葉から、中国とアフリカをつなぐファッションの今を読み解きます。
今回のニュースのポイント
- 南アフリカのデザイナーがグループで上海ファッションウィークに参加
- プリントや生地、シルエットで南アフリカとアフリカの物語を表現
- 漢服の要素も取り入れ、中国とアフリカの文化的なつながりを強調
南アフリカの物語をプリントに込めて
南アフリカのブランドImprint ZAを率いるデザイナー、ムズキシ・ムバネさんは、中国のメディアCGTNのインタビューで、自身の創作において「プリントをデザインし、それを文化と結びつけ、物語を語ること」が重要だと語りました。
ムバネさんにとって、プリントは単なる装飾ではなく、南アフリカやアフリカの歴史、記憶、日常を布の上に映し出すための手段です。今回の上海ファッションウィークでも、鮮やかな色彩や大胆な柄を通じて、観客にストーリーを投げかけました。
デザイナーたちは、どのようにモチーフを選び、どのような感情や背景をそこに託すのかといった創作プロセスも振り返りながら、アフリカ発のファッションが持つ表現力の豊かさを示しました。
漢服から着想を得たクロスカルチャーな表現
ブランドMolebatsiのデザイナー、ジェシカ・ジェーン・モレバツィさんは、中国の伝統的な衣装である漢服の要素からインスピレーションを得ていると話します。そこには、中国とアフリカの文化をファッションを通じて結びつけたいという思いがあります。
袖や襟の形、布の重ね方など、漢服に見られる要素を、自身のデザインにさりげなく取り入れながらも、南アフリカの感性やアフリカらしいプリントと調和させることで、新しい一体感を生み出そうとしています。モレバツィさんは、こうした試みを通じて文化の一体性を示し、中国とアフリカをつなぐ架け橋になりたいと考えています。
なぜ上海ファッションウィークは「世界のファッション首都」なのか
今回、ある南アフリカのデザイナーは、上海ファッションウィークを世界のファッション首都と表現しました。これは、世界各地のクリエイターが上海に集い、多様な背景を持つブランドがひとつの舞台で作品を発表できる環境が整っていることを示唆しています。
南アフリカのデザイナーたちにとっても、上海のランウェイは、アフリカの視点やストーリーを世界の観客に届けるための重要なプラットフォームになりつつあります。中国とアフリカの交流が進む中で、ファッションはその関係性を象徴するソフトな接点としての役割を担っています。
アフリカ発ファッションが投げかける問い
今回の上海ファッションウィークで示されたのは、単に「どの服が流行るか」というトレンドの話ではありません。プリントや生地、デザインを通じて、自分たちの歴史や文化をどう語り、世界とどう関わるのかという問いです。
南アフリカやアフリカの物語を前面に出しながら、中国の伝統的な要素も取り入れるという姿勢は、グローバル化が進むなかでの新しいクリエイションのあり方を示しています。ひとつの正解ではなく、複数の文化が重なり合うことで生まれる美しさに、注目が集まっています。
日本の読者にとってのヒント
日本のファッション業界やクリエイターにとっても、今回の動きは他人事ではありません。南アフリカのデザイナーたちが自国や地域のストーリーを前面に押し出しながら、中国との文化的なつながりを模索している姿は、「自分たちは何を語るのか」という問いを私たちにも投げかけています。
日常的に国際ニュースや海外カルチャーに触れている読者にとっては、上海ファッションウィークが中国とアフリカのクリエイターを結ぶ場として機能していること自体が、世界の重心の変化を感じさせる出来事ともいえるでしょう。通勤時間の数分で追えるニュースの裏側に、こうした長いストーリーがあることを意識すると、日々の情報の見え方も少し変わってくるかもしれません。
Reference(s):
South African designer says SHFW is 'the fashion capital of the world'
cgtn.com








