バングラデシュで3,300万人の子どもが学びを中断 気候危機が教育を直撃
2024年、バングラデシュで3,300万人もの子どもたちの学校生活が気候危機の影響で中断していたことが、国連児童基金(ユニセフ)の分析で明らかになりました。気候変動による極端な気象が、世界の教育を直撃している実態が浮かび上がっています。
ユニセフ報告書が示した「学びの中断」
金曜日に公表されたユニセフの報告書「Learning Interrupted: Global Snapshot of Climate-Related School Disruptions in 2024」は、気候関連の要因で世界の学校教育がどのように止められたのかを初めて本格的にまとめた分析です。
報告書によると、2024年には世界各地で、次のような極端な気象現象が子どもたちの学びを繰り返し中断させました。
- 熱波(ヒートウェーブ)
- サイクロン
- 洪水
- その他の極端な気象災害
これらの気象現象により、各地で学校が複数回にわたって休校に追い込まれ、子どもたちが教室から遠ざけられる状況が続いたとされています。
バングラデシュで3,300万人の子どもに影響
ユニセフの分析は、特にバングラデシュでの深刻な影響を示しています。2024年、同国では3,300万人もの子どもたちの教育が、気候関連の厳しい気象によって乱されました。
これほど大きな規模で学びが中断されると、教科書の内容を追うことさえ難しくなり、次のようなリスクが高まります。
- 学力の遅れや、基礎的な読み書き・計算の習得の遅延
- 学校から完全に離れてしまう子どもの増加
- 不安やストレスの長期化による子どもの心身への影響
学校は、授業だけでなく、安心できる居場所や友人とのつながりを提供する大切な場でもあります。その学校が何度も閉まることは、子どもたちの日常と将来の両方を揺るがす事態だと言えます。
気候危機は教育の危機でもある
今回のユニセフ報告書が改めて示したのは、気候危機が環境問題にとどまらず、「教育の危機」でもあるという現実です。極端な気象によって校舎が使えなくなったり、通学路が危険になったりすれば、子どもたちは学び続けたくても学校に行けません。
同時に、休校が繰り返される地域では、教師や学校運営にも大きな負担がかかります。授業計画の立て直しや補講の準備、子どもたちの安全確保など、やるべきことは一気に増えます。
気候変動への適応策を考える際には、インフラ整備や防災対策だけでなく、「どうすれば子どもたちの学びを止めないか」という視点が欠かせないことが、今回の分析から読み取れます。
2025年の今、私たちは何を考えるべきか
2025年の今、この報告書が伝えるメッセージは、バングラデシュや特定の国だけの問題として片付けることはできません。気候変動の影響は、世界中の子どもたちにとって身近なリスクになりつつあります。
たとえば、次のような問いは、多くの国や地域に共通するテーマになりつつあります。
- 災害や猛暑の中でも、子どもたちの学びをどう継続するか
- 学校の建物や通学環境を、気候リスクに強い形にどう変えていくか
- オンライン学習など、柔軟な学びの手段をどう確保するか
ユニセフの「Learning Interrupted」は、気候変動をめぐる議論に「教育」という視点を加えるきっかけになります。数字の大きさに圧倒されるだけでなく、その裏にいる一人ひとりの子どもの顔を思い浮かべながら、2025年の私たちがどのように行動し、どのような社会を選び取るのかが問われています。
Reference(s):
Schooling of 33 million Bangladeshi kids hit by climate crises in 2024
cgtn.com








