南極海の冬季海氷、衛星観測史上3番目の少なさに
2025年の南極海で、この冬の海氷面積が衛星観測開始からおよそ47年で3番目の少なさとなりました。国際ニュースとしての重要性に加え、気候変動が地球全体に与える影響を考えるうえで見逃せない動きです。
南極の冬、海はどこまで凍ったのか
南半球の冬になると、南極大陸を取り巻く海は何百キロも沖合まで凍り、9〜10月ごろに最大になります。その後、春から夏にかけて再び解けていきます。
米国コロラド大学ボルダー校の米国立雪氷データセンター(NSIDC)による暫定値では、2025年は9月17日に海氷が最大に達し、その面積は1,781万平方キロメートルでした。
観測史上3番目の少なさ 2023年・2024年に続く記録
この海氷最大面積は、衛星観測が始まってからの47年間で3番目に小さい値とされています。過去最も少なかったのは2023年、次いで2024年で、2025年もその2年に続く低水準となりました。
いずれの年も、過去の平均的な冬と比べると大きく下回っており、単なる一時的な変動ではなく、長期的な傾向の一部ではないかという見方が強まっています。
なぜ南極の海氷減少が重要なのか
南極の海氷は、地球規模の気候システムの一部として重要な役割を果たしています。
- 太陽光を反射し、地球の温度上昇を抑える働きがある
- 海洋の循環や風のパターンに影響し、世界各地の天候にも関わる
- 海氷とともに暮らす生態系にとって、生息環境の基盤となる
南極の海氷が少ない状態が続けば、南半球だけでなく、世界各地の気候や生態系に連鎖的な影響が広がる可能性があります。
気候変動との関係をどう見るか
南極の海氷はこれまで、年ごとの変動が大きい地域として知られてきました。それでも、2023年、2024年、そして2025年と、3年続けて観測史上の最低水準が更新・接近したことは、気候変動の影響が南極にもはっきり現れ始めているサインと受け止められています。
研究者たちは、温室効果ガスの増加による地球温暖化が、海水の温度や風の流れ、海流のパターンなどを通じて、南極海の氷の張り方を変えている可能性に注目しています。一方で、南極の気候システムは複雑であり、どの要因がどの程度効いているかについては、今後も分析が続きます。
日本にいる私たちとのつながり
南極は遠い場所ですが、その変化は日本を含む世界の社会・経済とも無関係ではありません。気候変動が進めば、異常気象の頻度や強さ、農業や漁業への影響、エネルギー需要の増加など、私たちの暮らしに跳ね返ってきます。
今回の南極海氷のニュースは、次のような点を考えるきっかけにもなります。
- エネルギーの使い方や再生可能エネルギーの導入をどう進めるか
- 企業や投資が、気候リスクをどう事業戦略に組み込むか
- 国際ニュースや科学研究の成果を、日々の意思決定にどう生かすか
これから注視したいポイント
2025年の南極海氷の数値はまだ暫定値であり、今後の解析によって詳細が更新される可能性があります。それでも、3年連続で記録的な低水準が続いている事実は変わりません。
今後注目したいのは、
- 南極の海氷が夏にどこまで減るのか
- 海水温や大気の状態の変化とどのように連動しているのか
- 南極の変化が、アジアや日本周辺の気候パターンにどう影響するのか
こうした点を追いかけることで、数字としての「3番目に少ない」という事実を越えて、地球規模で何が起きているのかを立体的に捉えることができます。
南極の変化を手がかりに、私たち一人ひとりが気候変動とどう向き合うのかを考え続けていくことが求められています。
Reference(s):
Antarctic sea ice hits its third-lowest winter peak on record
cgtn.com








