北京・河北連携が生むハイテク拠点 保定・中関村イノベーションセンターの今 video poster
北京と河北省の連携が進むなか、保定国家ハイテク産業開発区にある「保定・中関村イノベーションセンター」が、ハイテク産業の新たな拠点として注目を集めています。本記事では、同センターを紹介する動画「We Talk: Beijing-Hebei collaboration brings high-tech opportunities」を手がかりに、中国のイノベーション最前線をのぞきます。
保定・中関村イノベーションセンターとは
保定・中関村イノベーションセンターは、河北省保定市の保定国家ハイテク産業開発区に位置し、中関村が北京以外で初めて設けたイノベーションセンターです。2015年4月に正式にお披露目されてから、産業協力の新しいランドマークとなることを目標に、約10年にわたって取り組みを続けてきました。
センターは、科学技術の成果を育て、事業化へとつなげる役割を担っており、「中関村」スタイルのイノベーションシステムを保定の地に構築することを目指しています。研究開発、人材育成、企業支援などを通じて、地域の技術力と産業競争力を高めていく構想です。
「ワンセンター・ワンベース・ワンパーク」という開発モデル
このイノベーションセンターは、「ワンセンター・ワンベース・ワンパーク(one center, one base, one park)」と呼ばれる開発モデルを掲げています。名前の通り、役割の異なる三つの機能を組み合わせることで、イノベーションの循環を生み出そうとする考え方です。
- ワンセンター:研究開発やスタートアップ支援の中核となる拠点
- ワンベース:技術やサービスを実際の産業に落とし込むための基盤
- ワンパーク:企業や人材が集まり、交流や実証実験が行われる産業パーク
こうした仕組みによって、研究段階のアイデアから実際の製品・サービスまでを一気通貫で支える「イノベーションの生態系(エコロジー)」をつくろうとしている点が特徴です。
動画が映す、中国本土のイノベーションの現場
今回の動画「We Talk」では、Hebei International Communication CenterのホストであるCao Mengxinさんと、Hebei University of Foreign Languagesで教えるブルガリア出身の教員、Nedelina Georgievaさんが、保定・中関村イノベーションセンターを訪れます。
2人は現地を歩きながら、中国本土のイノベーションエコロジーや、ここから生まれるビジネス機会を間近に見ていきます。研究成果がどのように事業化されるのか、どのようなスタートアップや企業が集まりつつあるのか、といった点に注目しながらセンターを紹介しているのが印象的です。
国際的なバックグラウンドを持つNedelinaさんが参加していることもあり、動画は「外からの視点」で中国の技術・産業発展を捉えようとしている点が特徴です。グローバル人材にとって、どのようなキャリアや協業の可能性が開けているのか、という問いも自然と浮かび上がってきます。
北京・河北の連携がもたらすハイテク機会
保定・中関村イノベーションセンターは、その成り立ちからして北京と河北省の連携を象徴する存在です。北京で育まれた中関村のイノベーションシステムを、河北省の保定国家ハイテク産業開発区に展開することで、地域間の産業協力を深めようとしています。
北京の研究機関や企業が持つ技術力と、河北省の産業基盤や人材ポテンシャルが結びつくことで、新しいハイテクビジネスやスタートアップが生まれる余地は大きいと考えられます。動画のタイトルにある「high-tech opportunities(ハイテクの機会)」は、まさにこうした地域連携の可能性を指しているといえるでしょう。
日本の読者にとっての示唆
日本でも、大都市と周辺地域が連携しながらイノベーション拠点をつくる動きが続いています。北京と河北省の連携の例は、首都圏と地方都市の関係をどう再構築するかを考えるうえでも、参考になる点が多いテーマです。
特に、次のような観点は日本企業やスタートアップにとってもヒントになりそうです。
- 首都圏の研究開発力と、周辺地域の産業基盤をどう結びつけるか
- イノベーションセンターが、地域の「顔」としてどのような役割を果たせるか
- 外国人材や留学生を含む多様な人材を、地域のイノベーションにどう組み込むか
2025年現在、技術やサプライチェーンをめぐる国際環境が揺れるなかで、地域同士が連携してイノベーションの生態系をつくる動きは、アジア各地で重要性を増しています。保定・中関村イノベーションセンターは、その一つの具体的なかたちといえるでしょう。
「イノベーションの生態系」をどう育てるか
2015年の設立以来、「ワンセンター・ワンベース・ワンパーク」のモデルを掲げて歩みを進めてきた保定・中関村イノベーションセンター。そこには、単なる工業団地ではなく、研究開発から実用化、人材交流までをつなぐ「場」をつくろうとする意図が見てとれます。
中国本土の事例を通じて私たちが考えたいのは、「イノベーションの生態系を育てるには、どのような仕組みや空間が必要なのか」という問いです。北京・河北の連携を紹介する今回の動画は、その問いに対する一つのヒントを与えてくれるコンテンツだといえそうです。
スマートフォン一つで世界のニュースを追える今だからこそ、自分の暮らす地域の未来と、アジアのイノベーション拠点の動きを重ね合わせて見てみる。そんな視点で、この動画と保定・中関村イノベーションセンターの動向をチェックしてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
We Talk: Beijing-Hebei collaboration brings high-tech opportunities
cgtn.com








