イラン外務省、米国の新たな原油制裁を強く非難 国連憲章違反と主張
イラン外務省が、米国によるイラン原油の販売・輸送に関わったとされる個人や船舶への新たな制裁を強く批判し、国連憲章や人権に反すると主張しています。
イランが非難する「新たな米制裁」とは
イラン外務省報道官のエスマイル・バーゲイー(Esmaeil Baghaei)氏は水曜日に出した声明で、米政府が複数の船舶と自然人・法人に対して新たな制裁を科したことを「断固として非難する」と表明しました。
これに先立ち、米財務省は月曜日、外国資産管理局と国務省が「複数の法域にまたがる30以上の個人・船舶に対し、イラン産の原油や石油関連製品の販売・輸送を仲介した役割」を理由に制裁を発動すると発表していました。
米財務省によると、今回の制裁はイランの石油・石油化学分野を標的とする大統領令13902号と13846号に基づくもので、ドナルド・トランプ米大統領が2月4日に打ち出した「最大限の圧力」キャンペーンの一環として、イランの原油輸出を事実上ゼロに近づけることを狙った措置の第2弾だと説明されています。
国連憲章と自由貿易の原則に反すると主張
バーゲイー報道官は声明の中で、今回の制裁は「国連憲章の原則、とりわけ各国の国家主権の尊重と自決権に関する原則に反する」と指摘しました。また、国家間の自由貿易を定める国際法にも反していると強調しました。
さらに同氏は、制裁は「誤った、正当化できない、不法な措置」であり、イラン人の人権を侵害するものだと批判しました。そのうえで、この措置によって米政府は国際社会に対して責任を負うことになると述べています。
「対話」を掲げる米当局者の姿勢とのギャップ
バーゲイー報道官は、イランとの対話に前向きだとする一部米当局者の発言にも言及しました。そのうえで、イラン国民への制裁を課すこと自体が「米側の不誠実さを示す最大の証拠」であり、イランの人々の「福祉、発展、幸福」に対する米政策立案者の敵対的な姿勢を示していると述べました。
イラン側は、こうした制裁路線が対話や外交的な解決を求める姿勢と両立しないとみており、制裁強化が信頼構築を一層難しくするとの懸念をにじませています。
米国の狙い:石油収入の封じ込め
米財務省の発表によれば、今回の制裁はイランの石油および石油化学部門を狙い撃ちにしたものです。原油や石油関連製品の販売・輸送を支えるとされる個人や船舶を制裁対象とすることで、イランの主要な外貨収入源である石油取引に圧力をかける意図がうかがえます。
トランプ大統領が2月4日に表明した「最大限の圧力」キャンペーンは、イランの原油輸出をゼロにすることを目標に掲げており、今回の措置はその方針に沿った第2弾とされています。今後も同様の制裁が続けば、イラン経済だけでなく、イランと関係を持つ企業や船会社にも影響が及ぶ可能性があります。
国際社会とエネルギー市場への視点
イランと米国の対立が制裁という形で先鋭化するたびに、国際社会では二つの論点が浮かび上がります。一つは、制裁が国連憲章や自由貿易の原則とどのように整合するのかという法的・制度的な問題です。もう一つは、制裁が地域の安定やエネルギー市場にどのような影響を与えうるのかという現実的な問題です。
今回のように、一方が国際法違反や人権侵害を訴え、他方が安全保障や外交政策上の必要性を強調する構図は、制裁をめぐる議論で繰り返し見られます。読者のみなさんにとっても、「制裁はどこまで有効で正当化されうるのか」「対話による解決の余地はどこに残されているのか」を考えるきっかけとなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








