カンボジアは2025年12月13日、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相が提案した停戦案を歓迎しました。マレーシアと米国が外交的な働きかけを強める一方、カンボジア・タイ国境では衝突が続き、民間人への影響が拡大しています。
停戦案の骨子:12月13日22時から、ASEAN監視団+米国参加
カンボジアのフン・マネット首相は13日(土)、SNSへの投稿で、アンワル首相の停戦提案を支持すると表明しました。提案では、停戦は同日夜に発効し、ASEAN(東南アジア諸国連合)のオブザーバー団が監視し、米国も参加する形が想定されています。
アンワル首相は同日、タイ側とカンボジア側それぞれの指導者と個別に電話協議したとし、情勢悪化への深刻な懸念を伝達。最大限の自制、敵対行為の即時停止、そして12月13日22時以降の追加的な軍事行動の回避を求めたと説明しました。
マレーシアは「ASEAN外相特別会合」を近く招集へ
マレーシアは現在ASEAN議長国であるとして、アンワル首相は、状況評価と緊張緩和を後押しするため、ASEAN外相特別会合を近く開催する考えも明らかにしました。二国間の対話に加え、ASEANの枠組みを使って対話に戻るよう促す構図が前面に出ています。
米国も関与:トランプ大統領がアンワル首相に電話
アンワル首相は、米国のドナルド・トランプ大統領から電話を受け、国境紛争、二国間関係、より広い国際課題について議論したとも述べました。アンワル首相は、マレーシアが両国に対し、二国間ルートとASEANのメカニズムを通じて対話へ戻るよう働きかけていることを説明したとしています。
アンワル首相は、ASEANの「善隣友好」の原則に沿って、緊張緩和、民間人保護、地域の安定回復を支える用意があるとしました。
現地は悪化:タイ空軍F-16出動報道、カンボジアは民間施設被害を主張
外交努力が進む一方、現地の治安状況は悪化していると伝えられています。タイメディアは13日、王立タイ空軍がF-16戦闘機2機を投入し、カンボジア国境付近で攻撃を行ったと報じました。
カンボジアのネト・ピアクトラ情報相は、攻撃によりプルサット州ヴェアル・ヴェン郡のトモル・ダー検問所付近で、ホテルと橋2本が被害を受けたと説明。タイ側が民間目標、住宅地の村落、重要な民間インフラにも攻撃を拡大していると非難しました。
カンボジア側発表:民間人死傷と大規模避難
- 民間人の死者:11人
- 負傷者:59人
- 避難:5州で約8万9700世帯(30万3000人超)
同相は、タイに対し軍事行動の即時停止を求めるとともに、カンボジアは平和、対話、国際法へのコミットメントを維持すると強調しました。
「停戦合意」をめぐる食い違い:タイ側は否定、作戦継続を示唆
フン・マネット首相と、タイのアヌティン・チャーンウィラクーン暫定首相は12日(金)、それぞれトランプ大統領と電話協議を行ったとされています。トランプ大統領はその後、両首脳が金曜夕方発効の停戦に同意したと述べましたが、タイ側はこの主張を否定したと伝えられています。
アヌティン暫定首相は13日のSNS投稿で、タイは「自国の領土と人々がもはや脅威にさらされない」状態になるまで軍事作戦を継続する考えを示しました。
衝突は12月7日から激化、過去の合意も:8月停戦・10月共同声明
タイ・カンボジア国境での衝突は12月7日以降に激化し、複数地域で激しい砲撃が報告されています。双方が「相手が先に発砲した」と主張している状況です。今回の戦闘は、2025年7月の衝突(多数の負傷者、10万人超の避難)に続くものとされています。
一方で、緊張緩和に向けた枠組みが積み上がってきた経緯もあります。
- 8月7日:クアラルンプールでの合同国境委員会(JBC)特別会合で停戦合意(現行の部隊配置維持、国境部隊の増強回避)
- 10月26日:第47回ASEAN首脳会議の機会に平和に関する共同声明に署名
今回の停戦提案と監視枠組みが、こうした合意の“延長線”として機能するのか。それとも現地の軍事行動が先行し、外交のタイミングを逃すのか。停戦の実効性と、民間人保護の具体策が大きな焦点になりそうです。
Reference(s):
Cambodia welcomes ceasefire proposal as Malaysia, U.S. mediate
cgtn.com








