FISスノーボードW杯アスペン 蘇翊鳴が男子スロープスタイル銀
中国のスー・イーミン(Su Yiming)が、米コロラド州アスペンで行われたFISスノーボード・ワールドカップ男子スロープスタイルで銀メダルを獲得しました。同じ大会では女子スロープスタイルと男女ハーフパイプでも熱戦が繰り広げられ、今季のスノーボード国際シーンを象徴する一日となりました。
男子スロープスタイル:スー・イーミンが自身初の種目別W杯メダル
男子スロープスタイル決勝では、中国のスー・イーミンが堂々の2位に入り、この種目で自身初となるワールドカップのメダルを手にしました。
予選をグループ4位で通過したスーは、決勝1本目で74.36点をマークし、序盤で全体トップに立ちます。続く2本目では難度を上げて78.36点を引き出しましたが、カナダのフランシス・ジョバンが79.30点を叩き出し、わずかな差で逆転されました。
結果は次のとおりです。
- 1位 フランシス・ジョバン(カナダ) 79.30点
- 2位 スー・イーミン(中国) 78.36点
- 3位 ショーン・フィッツシモンズ(アメリカ)
スロープスタイルは、レールやボックス、キッカー(ジャンプ台)などが並ぶコースを滑りながら、トリックの難度や完成度、全体の流れを競う種目です。スーは安定したランで得点を重ねつつ、新しい技にも挑み、世界トップレベルに食い込む実力を示しました。
女子スロープスタイル:サドウスキー・シノットが圧巻の勝利
女子スロープスタイル決勝では、ニュージーランドのゾーイ・サドウスキー・シノットが87.80点をマークし、圧倒的な強さで優勝しました。安定感のあるエアと多彩なトリック構成で他を寄せ付けませんでした。
表彰台は以下の顔ぶれです。
- 1位 ゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド) 87.80点
- 2位 村瀬心椛(日本)
- 3位 ミア・ブルックス(イギリス)
日本の村瀬心椛も2位に入り、安定したランと高いスタイルで存在感を示しました。アジア勢と英語圏の若いライダーたちがしのぎを削る構図が、今後のワールドカップシリーズの見どころになりそうです。
男子ハーフパイプ:地元フェレイラが95.75点で11連勝
男子ハーフパイプでは、地元アメリカのアレックス・フェレイラが劇的な逆転で金メダルを獲得し、自身のワールドカップ連勝記録を11に伸ばしました。
フェレイラは最終3本目で、この日男子全体最高となる95.75点をマーク。スイッチ(通常と逆方向)スタンスからのライト方向ダブルコーク1080ジャパンで入り、最後は大きな高さからのライト方向ダブルコーク1620リーディングテールグラブで締めくくる、高難度かつ完成度の高い構成でした。
フェレイラは滑走後、「人生で最高の瞬間の一つだ。恐怖やプレッシャーを乗り越えてやり切れたことを信じられない」と振り返り、勝利の喜びを語りました。
男子ハーフパイプの結果は次のとおりです。
- 1位 アレックス・フェレイラ(アメリカ) 95.75点
- 2位 ニック・ゲッパー(アメリカ)
- 3位 マシュー・ラボー(アメリカ)
女子ハーフパイプ:中国の李方慧が銀メダル
女子ハーフパイプ決勝では、イギリスのゾーイ・アトキンが序盤から主導権を握りました。右アーリーオプ360ジャパン(ハーフパイプ上部側へのスピンに日本式グラブを組み合わせた技)から入り、続けてスイッチライト720リーディングテールグラブを決め、90.00点という高得点を叩き出しました。
中国のリー・ファンフイ(Li Fanghui)は88.50点で銀メダルを獲得。高さと回転数を両立させたランでアトキンに迫り、中国の存在感を示しました。カナダのエイミー・フレイザーが86.75点で3位に入りました。
女子ハーフパイプの表彰台は次のとおりです。
- 1位 ゾーイ・アトキン(イギリス) 90.00点
- 2位 リー・ファンフイ(中国) 88.50点
- 3位 エイミー・フレイザー(カナダ) 86.75点
今回のアスペン大会が示した3つのポイント
今回のFISスノーボード・ワールドカップ アスペン大会は、単なる一戦以上の意味を持つ内容でした。国際ニュースとして見たときのポイントを3つに整理します。
1. アジア勢の存在感が一段と強まる
男子スロープスタイルで中国のスー・イーミンが銀、女子ハーフパイプで中国のリー・ファンフイが銀、女子スロープスタイルでは日本の村瀬心椛が銀と、アジア出身ライダーが複数の種目で表彰台に立ちました。スノーボードは欧米選手のイメージが強い競技ですが、アジア勢が着実に勢力図を塗り替えつつあることがうかがえます。
2. 「攻め」と「安定」の両立が勝利の鍵に
スロープスタイルやハーフパイプでは、難度の高いトリックに挑戦する攻めの姿勢と、ミスなくまとめる安定感の両方が求められます。スー・イーミンは2本目で得点を伸ばしつつ、わずかな差で優勝を逃しましたが、そのチャレンジは今後の大きな糧になりそうです。フェレイラの最終ランも、リスクの高い構成を成功させたからこその95.75点でした。
3. シーズン後半に向けた勢力図の試金石
ワールドカップはシーズンを通して行われるシリーズ戦であり、一つひとつの大会結果がランキングや流れに影響します。アスペンで結果を残した選手たちは、今後の大会でも心理的に有利な立場に立つ一方で、追う側の選手たちも難度アップや構成の見直しを迫られます。
スノーボードは、技術だけでなく「どこでリスクを取るか」「どう自分のスタイルを貫くか」といった駆け引きも含めて楽しめる競技です。今回のアスペン大会は、その奥深さと、世界各地の若いライダーたちの成長を感じさせる内容でした。今後のワールドカップや国際大会で、スー・イーミンやリー・ファンフイ、日本や欧米の選手たちがどのような進化を見せてくれるのか、引き続き注目していきたいところです。
Reference(s):
China's Su Yiming earns silver at FIS Snowboard World Cup in Aspen
cgtn.com








