なぜ今年の花粉症はつらい?北京の医師が仕組みと対策を解説 video poster
2025年の春、中国・北京では花粉症の症状が「今年はいつもよりつらい」と感じる人が目立ちました。なぜアレルギーが強く出ているのか、風の強い日には何が起きているのかを整理し、来シーズンにも役立つ花粉症対策をまとめます。
今年の花粉症が「きつい」と感じる背景
北京では毎年春になると、スギやポプラなど複数の植物から花粉が飛びますが、2025年は特に症状が強いと感じる人が多いとされています。一般に、次のような要因が重なると、同じ量の花粉でもつらさが増しやすくなります。
- 乾燥した日が多い:空気が乾いていると、花粉が地面に落ちずに長く空中を漂い続けます。
- 風の強い日が増える:強い風が花粉を一気に巻き上げ、広い範囲に運びます。
- 複数の花粉が重なる:樹木や草花の花粉の飛ぶ時期が重なると、体が受ける「アレルギーの負担」が増えます。
- 体調や生活リズムの変化:睡眠不足やストレス、風邪などで免疫バランスが乱れると、同じ花粉量でも症状が出やすくなります。
北京のBeijing Shijitan Hospital(首都医科大学附属)のアレルギーセンター長であるWang Xueyan(ワン・シュエイェン)医師は、市内の花粉濃度をリアルタイムで測定しながら、こうした要因が重なった年には、症状の強さや期間が「長く感じられやすい」と指摘しています。
風の強い日はなぜ症状が悪化しやすい?
「今日は風が強いから、くしゃみが止まらない」と感じる人は少なくありません。北京のように広い都市では、風が花粉の動きに大きな影響を与えます。
- 花粉が一気に舞い上がる
強い風が地面や樹木から花粉を巻き上げ、高いところまで持ち上げます。その結果、短時間で急激に花粉濃度が上がることがあります。 - 遠くの花粉まで運ばれてくる
風下の地域では、自分の住んでいる周辺に花粉源がなくても、離れた場所から運ばれてきた花粉で症状が出ることがあります。 - 一日の中で濃度の変化が激しい
同じ一日でも、風向きや風の強さによって花粉濃度が大きく上下します。朝夕の通勤時間帯に濃度のピークが重なると、症状が強く出やすくなります。
こうした理由から、風が強い日は、短時間の外出であってもマスクや眼鏡で目と鼻を守ることが大切です。Wang医師らのチームが発信する花粉濃度のリアルタイム情報は、外出時間帯を選ぶ目安にもなります。
いつまで続く?花粉シーズンの目安
「このつらいシーズンはいつ終わるのか」というのも、多くの人が気になるポイントです。一般に、北京周辺の春の花粉シーズンは、樹木の芽吹きが始まる早春から、主要な花粉源となる木々の開花が落ち着く初夏ごろまで続くとされています。
ただし、
- 気温の変動が大きい年
- 乾燥と強風の日が続く年
- 複数の植物の開花時期が重なった年
には、「ピークが長引いた」「例年より遅くまで症状が続いた」と感じる人が増えます。雨が降って地面が湿り、風の弱い日が続くようになると、空気中の花粉は徐々に減っていきます。
Wang医師のいるアレルギーセンターでは、市内各地点での花粉濃度を継続的に観測し、ピークや終息のタイミングを市民に分かりやすく伝える取り組みが行われています。自分の症状の変化と花粉情報を見比べておくと、来年以降のシーズンに備えるうえでも役立ちます。
専門医が勧める日常の花粉症対策
つらい症状を少しでも和らげるために、日常生活でできる対策も重要です。アレルギー専門医がよく勧めるのは、次のようなシンプルな工夫です。
- 外出前に花粉情報をチェック
花粉濃度が高い時間帯の外出をなるべく避け、どうしても外出する場合はマスクや眼鏡で防御します。 - 帰宅時の「持ち込み」を減らす
玄関で上着を脱いではたく、洗えるものはこまめに洗濯し、顔や髪を洗ってから室内でくつろぐようにします。 - 換気の時間帯を選ぶ
風が強い日や花粉が多い時間帯の長時間の換気は避け、花粉が少ない時間帯に短時間だけ窓を開けます。 - 症状が出る前からの薬物療法
毎年同じ時期に症状が出る人は、シーズン前から医師の指示のもとで内服薬や点鼻薬を始めると、症状を軽くできる場合があります。 - 早めの受診
市販薬でおさまらない、仕事や勉強に支障が出る、呼吸が苦しいといった場合は、自己判断に頼らず専門医の診察を受けることが勧められます。
「今年の経験」を来シーズンに生かす
2025年の春の北京は、多くの人にとって厳しい花粉症シーズンとなりましたが、その経験は来年以降に備えるヒントにもなります。
- 自分の症状が強く出た日をカレンダーに記録する
- その日の天気や風の強さ、外出時間帯を書き添えておく
- 花粉情報と見比べて、自分の「苦手な条件」の傾向を把握する
こうした「花粉日記」をつけておくと、翌年の同じ時期に少し早めに対策を始めることができます。リアルタイムの花粉濃度情報と、自分の体の反応を組み合わせて観察することが、花粉症とうまく付き合う第一歩と言えるでしょう。
花粉症シーズンは毎年訪れますが、情報と対策しだいで「つらさ」をある程度コントロールすることは可能です。2025年の春の経験を振り返りながら、自分に合った向き合い方を考えてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








