中国とインドネシアが関係深化へ 新たな旗艦プロジェクトと安全保障対話
中国とインドネシアが北京で初の外務・防衛閣僚対話を開き、インフラや新産業、社会分野にまたがる旗艦プロジェクトを通じて関係を一段と深め、両国の近代化を加速させていく方針を打ち出しました。
北京で初の外務・防衛閣僚対話
中国の王毅国務委員兼外交部長(中国共産党中央政治局委員)は8日、北京でインドネシアのスギヨノ外相と会談しました。両外相は同日午前、中国・インドネシア外務・防衛閣僚級対話の第1回会合も共同で主宰しました。
王氏は、この初の外務・防衛閣僚級会合が豊かな成果を上げ、両国の政治、安全保障、防衛協力を新たな段階に引き上げたと強調しました。
外交関係75周年と節目の年
2025年は、中国とインドネシアの国交樹立75周年にあたります。王氏は、両国がそれぞれの発展と二国間関係にとって重要な機会を迎えていると指摘し、中国がインドネシアを発展の道をともに歩む良き協力パートナーと位置づけていることを示しました。
インフラと経済協力:新たな旗艦プロジェクト構想
王氏は、両国が高品質の協力に焦点を当て、中国の近代化とインドネシアの国家ビジョンであるゴールデン・インドネシア2045の戦略的な連携を強めるべきだと述べました。
中国が提唱する一帯一路構想のもとで進められてきたジャカルタ-バンドン高速鉄道などのランドマーク案件については、その持続的で安定した運営を図る方針を確認しました。また、二国二園(Two Countries, Two Parks)構想や地域包括経済回廊を活用し、新たな連結性と協力の旗艦プロジェクトを創出する考えです。
経済面では、両国が自由貿易を守り、双方向の貿易や投資の円滑化を進めるとともに、安全で安定し、途絶のない生産・供給チェーンを構築することの重要性が強調されました。中国はインドネシア産品の輸入拡大に前向きな姿勢を示し、インドネシア政府に対しては、中国資本の機関や関係者の正当な権益保護を求めました。
新産業・グリーン分野・社会課題での連携
両国は、科学技術イノベーション、デジタル経済、グリーン成長、低空域経済(ドローンや空飛ぶクルマなど低高度を活用する産業)、海洋・水産産業などの新興分野で、相互に利益となる協力を拡大していく方針です。こうした分野で新たな生産力を育成・強化することで、両国の近代化を後押ししたい考えです。
王氏はさらに、食料と農業、保健医療、貧困削減と救済、災害の予防と被害軽減、農村振興といった、人々の生活に直結する分野での協力強化も呼びかけました。文化、教育、観光、若者交流を一層活発にし、世代を超えて中国とインドネシアの友好の基盤を固めることの重要性も強調しました。
グローバルサウスとしての連携と多国間主義
2025年は、国連創設80周年とバンドン会議開催70周年の節目でもあります。王氏は、米国による世界的な貿易戦略の展開や経済グローバル化への逆風が続く中で、中国とインドネシアはグローバル・サウスを代表する主要な発展途上国として、経済グローバル化と貿易自由化の擁護者であると位置づけました。
両国は、相互の信頼と協力を高めつつ、平和五原則とバンドン精神を共同で推進し、世界貿易機関(WTO)を中心とする多国間貿易体制を守ることを確認しました。国際的な公正と正義を擁護し、地域と世界に対して団結と開放のシグナルを発信することで、中国・インドネシア関係の地域的・国際的な影響力をさらに高めたい考えです。
インドネシア側も関係深化に前向き
スギヨノ外相は、今回の初の外務・防衛閣僚級会合を成功だったと評価しました。そのうえで、中国はインドネシアにとって最大の貿易相手国であり、主要な海外投資の供給源の一つだと述べ、中国との関係が長年にわたり力強い発展の勢いを保ってきたと強調しました。
インドネシアは、中国との国交樹立75周年を迎える今年、両国関係の一層の深化を重視しているとし、あらゆるレベルでの緊密な交流を望む姿勢を示しました。経済・貿易、投資、農業と水産、保健、クリーンエネルギー、科学技術イノベーションなどの分野で実務協力を拡大し、人と人との交流や文化交流を強化することで、包括的戦略的パートナーシップをさらに強めたい考えです。
また、両国は政府間で署名された海洋分野の共同開発に関する協力文書を、共に実行に移していくことで一致しました。
まとめ:日本からの視点
インフラから新産業、安全保障、海洋協力まで、中国とインドネシアの連携は幅広い分野に広がりつつあります。日本にとっても、こうしたグローバル・サウスと中国の関係強化が、アジアの経済秩序や安全保障環境にどのような影響を及ぼすのかを考えるうえで重要な動きと言えます。
- 外務・防衛閣僚級対話の創設により、政治・安全保障対話が格上げされたこと
- 一帯一路とゴールデン・インドネシア2045の連携を通じ、新たな旗艦プロジェクトが構想されていること
- グローバルサウスの主要国として、多国間貿易体制と経済グローバル化を共同で擁護していく姿勢が示されたこと
Reference(s):
cgtn.com








