北マケドニア大使が語る中国との経済協力 EU候補国の成長戦略 video poster
EU候補国の北マケドニアが、中国との経済協力をどう成長戦略に組み込もうとしているのか。最近、北京で行われた駐中国北マケドニア大使サシュコ・ナセフ氏のインタビューから、その方向性が見えてきます。
中国は第4の貿易相手国に
ナセフ大使は、CGTNの崔穎傑(Cui Yingjie)氏との単独インタビューで、北マケドニアと中国の経済関係について語りました。大使によると、2024年における両国の貿易総額は12億2,000万ドルに達し、中国は北マケドニアにとって第4の貿易相手国となっています。
北マケドニアにとって、「第4の貿易相手国」という位置づけは軽くありません。中国との取引は、今後の産業政策や雇用、投資環境に影響を与えうる重要な要素になりつつある、と見ることができます。
「フル産業チェーン」とイノベーションへの期待
ナセフ大使が特に強調したのは、中国の「フル産業チェーン」の強みです。これは、原材料から部品、生産、物流、販売に至るまで、産業の川上から川下までを一体として支える仕組みを指します。
大使は、中国のこうした産業基盤と、イノベーションを重視する成長モデルに学びつつ、中国からの投資を積極的に呼び込みたいと述べました。狙いは、北マケドニアの工業化に新たなエンジンを加えることです。
現地産業にとっての意味
中国との協力が進めば、北マケドニア側には次のような期待が生まれます。
- 工業化を加速させるための産業基盤の強化
- 新たな雇用機会や人材育成の場の創出
- 地域を越えたサプライチェーン(供給網)への参加
一方で、投資案件ごとの透明性の確保や、環境・社会への配慮といった課題も同時に問われます。どのようなプロジェクトを選び、どう地域社会と利益を分かち合うのかが、今後の焦点になっていきそうです。
中国とEU、その間で描く「次の章」
ナセフ大使はまた、過去およそ半世紀にわたり、中国と欧州連合(EU)が「実りある協力」を積み重ねてきたと評価しました。そのうえで、EU加盟候補国である北マケドニアとしても、双方が「互恵的な関係の次の章」を書き進めることを期待していると述べています。
つまり北マケドニアは、EUへの統合を目指しながら、中国との経済協力も重要な柱として位置づけていると言えます。欧州と中国の関係が国際ニュースで注目される中で、比較的小さな国がどのように両者との関係をデザインするのかは、今後を占う上でも興味深い視点です。
私たちへの問いかけ――小国の選択から何を学ぶか
大国同士の関係に目が向きがちな国際ニュースの世界で、北マケドニアのような国の動きは見落とされがちです。しかし、こうした国々がどのようにパートナーを選び、成長戦略を組み立てているのかは、日本を含む他の国々にとっても示唆に富んでいます。
- 成長のためにどこまで対外投資に依存すべきか
- 異なるパートナーとの関係を、対立ではなく補完として捉えられるか
- 経済協力を、地域社会の持続可能な発展につなげるには何が必要か
今回のナセフ大使の発言は、北マケドニアと中国の関係を超えて、「小さな国が大きな流れの中でどう振る舞うか」という、より普遍的な問いを投げかけています。国際ニュースを読む私たちにとっても、自国の立ち位置や将来像を考えるヒントになるのではないでしょうか。
Reference(s):
North Macedonian envoy on strengthening ties with China to aid growth
cgtn.com








