WMO最高栄誉IMO賞、中国の気象衛星をけん引した徐建民氏に
世界気象機関(WMO)は木曜日、2025年の最高栄誉である国際気象機関賞(IMO賞)を、中国の気象学者で同国の気象衛星システム構築をけん引してきた徐建民(Xu Jianmin)氏に授与すると発表しました。授与式は来年2026年のWMO執行理事会で行われる予定です。
WMOの最高栄誉・IMO賞とは
世界気象機関(World Meteorological Organization、WMO)が授与するIMO賞は、気象学や水文学の分野で卓越した業績を上げるとともに、これらの分野における国際協力に大きく貢献した人物をたたえる最高位の賞です。世界の天気予報や気候監視、防災に影響を与える研究者や実務者が対象となります。
徐建民氏とはどんな人物か
徐建民氏は、中国の気象衛星システムの発展を切り開いてきた先駆的な研究者であり、衛星データの利活用とサービス分野をリードしてきた存在です。1997年からは中国工程院(Chinese Academy of Engineering)の院士を務めています。
風雲(FengYun)気象衛星地上システムの設計
WMOによると、徐氏は中国の風雲(FengYun、FY)気象衛星地上システムの基盤となるアーキテクチャ(全体構造)の設計で中心的な役割を果たしました。地上システムは、衛星からの大量の観測データを受信し、処理し、ユーザーに配信する心臓部とも言える存在です。
衛星ナビゲーションとプロダクト高度化への貢献
徐氏は、風雲衛星の運用に不可欠なナビゲーション(軌道や位置決め)に関する重要な技術課題の解決にも大きく貢献しました。さらに、衛星観測から得られるデータを解析して作成される各種プロダクトの高度化を進め、より精度の高い観測、予報、気象サービスの実現に寄与してきました。
風雲衛星データの国際的な活用拡大
WMOは、徐氏が風雲衛星データの国際的な利用拡大にも重要な役割を果たしたと評価しています。風雲シリーズからのデータは、観測や予報、さまざまな気象サービスの場面で世界的に活用されるようになりました。
なぜ今回の受賞が重要なのか
気象衛星は、雲や降水、海面水温など地球規模の現象を24時間体制で観測するインフラであり、現代の気象予報や防災の土台となっています。そのシステム設計やデータ利用の在り方は、各国の人々の日常生活や経済活動にも直結します。
その中で、衛星地上システムの構築やデータ利用の仕組みづくりに長年携わってきた徐氏の取り組みが、WMOの最高栄誉として評価されたことは、衛星技術の裏側を支える仕事がいかに重要かを示しています。また、衛星データを国際的に共有し活用する流れを後押しするという意味でも、象徴的な受賞と言えます。
2026年の授与式と今後の注目点
徐建民氏へのIMO賞は、2026年に開かれるWMO執行理事会の場で正式に授与される予定です。それまでの間にも、風雲衛星を含む各国の気象衛星から得られるデータの連携や、気象サービスの高度化は一層求められていきます。
日本を含む多くの国や地域にとっても、他国の衛星データをどう取り込み、災害リスクの軽減や産業の安定運営に役立てていくかは重要なテーマです。今回の受賞をきっかけに、国際的な気象協力の在り方や、衛星データのオープンな活用について考える契機とすることができそうです。
スマートフォンの天気アプリの裏側では、こうした衛星と国際協力のネットワークが常に動いています。日々の天気予報を見るとき、その背景にある科学と協力の積み重ねに少し思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








