天津で中国とミャンマー首脳会談 SCOサミット2025で何が話されたか
中国の習近平国家主席は土曜日、天津市でミャンマーのミン・アウン・フライン代行大統領と会談しました。上海協力機構(SCO)サミット2025と「中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利」80周年記念行事を軸に、中国とミャンマーの戦略的関係を一段と深める場となりました。
会談の3つのポイント
- ミン・アウン・フライン氏はSCOサミット2025と戦勝80周年記念行事出席のため中国を訪問し、天津で習主席と会談。
- 習主席は、中国とミャンマーが戦略的協力を深め、「共に未来を分かち合う共同体」の構築や中国・ミャンマー経済回廻廊の重点プロジェクト推進を呼びかけ。
- ミン・アウン・フライン氏は中国の長年の支援に謝意を示し、「一つの中国」原則を改めて支持するとともに、SCOの発展に貢献する意欲を表明。
天津での首脳会談とSCOサミット2025
会談は、中国の沿海都市・天津で行われました。ミン・アウン・フライン氏は、上海協力機構(SCO)サミット2025への出席と、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年を記念する行事への参加のため、中国を訪れています。
習主席は、ミャンマーが第二次世界大戦における対ファシズムの世界的な戦いで「東部戦線」の一部を担ったことに言及し、その歴史的なつながりを強調しました。また、ミャンマーはSCOにおける重要な対話パートナーだと位置付けました。
「共に未来を分かち合う共同体」と経済回廊
会談で習主席は、両国が戦略的協力をさらに深め、「共に未来を分かち合う共同体」の構築を加速させる必要があると呼びかけました。そのうえで、中国とミャンマーの人々により大きな利益をもたらすことが重要だと強調しました。
具体的には、中国・ミャンマー経済回廊の中核となるプロジェクトを着実に進めることや、国境をまたぐ犯罪への協力を強化し、ミャンマー国内にいる中国の人員、機関、事業の安全を確保することなどが挙げられました。経済協力と治安協力をセットで進める姿勢がうかがえます。
習主席はまた、中国がミャンマーによる幅広い国内政治の団結づくりを支持し、安定の回復と発展の加速を後押ししていく考えも示しました。内政の安定を前提に、経済回廊をはじめとする協力を前に進めたい思惑が透けて見えます。
ミャンマー側のメッセージ:中国への信頼と「一つの中国」
これに対しミン・アウン・フライン氏は、中国が長年にわたってミャンマーの経済・社会発展を支え、災害後の復興を助けてきたと評価しました。さらに、ミャンマー北部の平和と安定の維持においても、中国が建設的な役割を果たしてきたと述べました。
同氏は、「一つの中国」原則を揺るぎなく順守する姿勢を改めて表明し、中国への政治的な信頼を強調しました。そのうえで、SCOの対話パートナーとして、この地域協力の枠組みの発展に積極的に貢献したいと述べました。
税関・メディア分野での協力文書も署名
会談の場では、税関やメディアなどの分野で二国間の協力文書にも署名が行われました。制度面や情報発信の面でも関係を整理し、具体的な協力を積み上げていく狙いがうかがえます。
会談には、中国側から蔡奇氏、王毅氏、陳敏爾氏ら高官も同席しました。外交・党の双方から要人が顔をそろえたことは、今回の会談に対する中国側の力の入れ方を示していると言えます。
日本からどう見るか:地域秩序の中の中国・ミャンマー関係
今回の天津での首脳会談からは、次のようなポイントが読み取れます。
- 歴史:反ファシズム戦争の「東部戦線」を共有した歴史を強調し、現在の関係強化の正当性を打ち出している。
- 安全保障:国境を越える犯罪対策やミャンマー北部の安定など、安全保障分野での連携を前面に押し出している。
- 経済:経済回廊の重点プロジェクトや税関協力など、貿易・投資の基盤づくりを進めている。
アジアの国際関係を考えるうえで、中国とミャンマーの関係は、歴史認識、安全保障、経済協力が重なり合う一つのケーススタディとして注目されます。SCOサミット2025をきっかけに、両国の協力がどこまで具体化していくのか。今後の動きを静かに追いかけていく必要がありそうです。
Reference(s):
Chinese President Xi Jinping meets Myanmar's acting president
cgtn.com








