世界スマート産業博2025、AI+と次世代EVが示した3000の革新
中国・重慶で2025年9月に開催された2025 World Smart Industry Expoは、AI+とインテリジェントコネクテッド新エネルギー車(NEV)を前面に打ち出し、3000件以上のイノベーションと100件を超える新技術を披露しました。スマート産業の「いま」を知りたい日本語読者にとって、押さえておきたい動きです。
重慶で開かれたWorld Smart Industry Expoとは
2025年9月5〜8日、中国南西部の重慶市で2025 World Smart Industry Expo(世界スマート産業博覧会)が開催されました。本年のテーマはAI+とインテリジェントコネクテッド新エネルギー車(NEV)で、スマート産業の最新動向を集中的に示す場となりました。
会場では、国際ニュースとしても注目される規模のスマート産業展示が行われました。
- 展示された革新的な製品・ソリューション:3000点以上
- 初めて公開された産業標準・製品・技術:100件超
- 参加企業数:中国内外から550社以上
- フォーラム、展示、コンテスト、成果発表、ビジネスマッチングなどを併催
5つの専門エリアで見えたスマート産業の焦点
今回の博覧会は、次の5つの専門エリアに分かれて構成されました。それぞれが、スマート産業の「いま」と「これから」を象徴するテーマです。
1. インテリジェントコネクテッド新エネルギー車(NEV)
目玉の一つが、インテリジェントコネクテッドNEVのエリアです。長安汽車(Changan)、塞力斯(Seres)、テスラなど20の主要自動車メーカーが出展し、108社の部品サプライヤーやエコシステムパートナーが参加しました。
このエリアでは、次のような最新トレンドが紹介されました。
- AIを活用したスマートドライビング(高度な運転支援や自動運転技術)
- 音声認識や大画面ディスプレーを備えたインテリジェントコックピット
- 車両そのものを「走るコンピューター」とするAI搭載車両のコンセプト
2. デジタル都市ガバナンス
デジタル都市ガバナンスのエリアでは、都市運営にデータとAIを組み込む取り組みが共有されました。交通管理、防災、行政サービスのデジタル化など、都市をより効率的で暮らしやすくするための仕組みづくりがテーマとなりました。
3. ロボティクス
ロボティクスのエリアでは、製造現場向けの産業用ロボットから、物流や医療、サービス分野まで、幅広いロボット技術が並びました。AIとロボットを組み合わせることで、人手不足の補完や危険な作業の自動化を目指す流れが強まっていることがうかがえます。
4. スマートライフ
スマートライフのエリアでは、スマート家電、ヘルスケア機器、家庭用エネルギー管理など、日常生活に溶け込むデジタル技術が紹介されました。個人の生活データを活用しながら、安心・快適・省エネをどう両立させるかが大きなテーマです。
5. 低空経済
近年キーワードとして浮上している低空経済のエリアでは、ドローンや次世代の小型航空機など、地表から比較的低い高度を活用した新しい産業が取り上げられました。物流、点検、撮影、災害対応など、空のインフラを日常的に使う社会像が描かれています。
AI+がもたらす産業構造の変化
2025年9月の世界スマート産業博覧会は、単なる技術展示にとどまらず、AIを前提とした産業づくりが本格化していることを示しました。各エリアを貫く共通点は、次の3つです。
- あらゆる機器・車両・インフラをネットワークにつなぐこと
- そこで生まれる膨大なデータをAIで分析し、リアルタイムで制御や最適化に生かすこと
- 人の体験価値(安全性、快適さ、効率)を高める方向で技術を組み合わせること
AI+というキーワードは、もはや特定の業界に限られたものではなく、自動車、都市、ロボット、生活、空の移動といった領域を横断する共通基盤になりつつあることがわかります。
日本の読者がこの動きをどう捉えるか
日本から見ると、重慶で開かれたこの国際展示会は、次のような問いを投げかけています。
- 自動車・モビリティ産業に携わる立場から:インテリジェントNEVのエコシステムは、どの部分で連携や競争の余地があるのか
- 都市政策やインフラに関わる立場から:デジタル都市ガバナンスや低空経済のアイデアを、自分たちの街にどう応用できるか
- スタートアップやテック人材の立場から:AI+時代に、新しいサービスやビジネスモデルをどこから生み出せるか
2025年12月現在、AIとスマート産業をめぐる動きは各国で加速していると受け止められています。今回のWorld Smart Industry Expoは、その流れの中で、中国のスマート産業戦略や国際的な産業連携の一端を読み解く手がかりとなるイベントだったと言えます。
ニュースをただの海外展示会の話として流してしまうのか、それとも自分の仕事や暮らしとの接点を探すきっかけとするのか。2025年の終わりに、この博覧会が示した3000のイノベーションをどう受け止めるかが、私たち自身の次のアクションにもつながっていきます。
Reference(s):
World Smart Industry Expo: 3,000 innovations, 100 first releases
cgtn.com








