敦煌シルクロード博が開幕 タイ招き文化交流と一帯一路を発信
中国北西部・甘粛省敦煌市で7日、「第8回シルクロード(敦煌)国際文化博覧会」が開幕しました。97カ国と8つの国際機関から1200人を超える代表が集まり、国際ニュースとしても注目される一帯一路時代の文化交流と協力が改めてクローズアップされています。
博覧会は8日までの2日間の日程で開かれ、文化対話、展示、芸術公演など多彩なプログラムを通じて、世界各地の文化協力や相互理解の促進をめざしています。
シルクロードの要衝・敦煌が再び世界の交差点に
敦煌は、古代シルクロードの要衝として知られ、中国の絹や茶が西方へ運ばれる一方で、ブドウ、ニンジン、ザクロといった「かつては異国の作物」が中国にもたらされた場所でもあります。今回の国際文化博覧会は、そうした歴史的背景を持つ都市を舞台に、現代のシルクロードともいわれる中国の一帯一路構想と文化交流を結びつける試みとなっています。
97カ国・国際機関が参加 テーマは文化対話と協力
主催者によると、今回のシルクロード博には97カ国と8つの国際機関から、あわせて1200人以上の代表が参加しています。会場では次のようなプログラムが展開されています。
- 宗教や思想、芸術などをめぐる国際的な文化対話
- 各国・各地域の文化や観光資源を紹介する展示
- 音楽や舞踊などの芸術公演
参加する一帯一路に関わる国や地域は、それぞれの観光地や風習、無形文化遺産の保護の成果を紹介し、シルクロード沿線の多様な文化を一堂に集めています。
タイが主賓国として参加 莫高窟壁画との共通点も
今回の博覧会では、タイが甘粛省の「主賓国」として招かれています。タイ文化省のプラソップ・リアンゴーン常任書記は、会場でのあいさつで、敦煌について「文明が交わり、思想が交換され、さまざまな芸術が互いに学び合う重要なハブであり、シルクロードの象徴だ」と語りました。
タイは会場で、自国の伝統文化や民族色豊かな風習を紹介しています。リアンゴーン氏は、敦煌の世界遺産・莫高窟(Mogao Caves)の壁画に描かれた芸術的要素が、タイの寺院の壁画と多くの共通点を持つと指摘し、「両国の間にある緊密な歴史的つながりをよく示している」と強調しました。
世界遺産・莫高窟が語る「文明間の対話」
莫高窟は1987年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録された、きわめて重要な文化遺産です。ユネスコのQu Xing事務次長は博覧会で、敦煌の莫高窟に残された壁画が、シルクロードにおける宗教、芸術、思想分野の深い対話の証人となっていると述べました。
シルクロードを行き交った人々や物資だけでなく、信仰や美意識、哲学がどのように交差し、相互に影響し合ってきたのか。その重層的な歴史が、莫高窟という「人工の驚異」に刻み込まれているといえます。
一帯一路時代の「開かれた敦煌」
およそ2000年前、敦煌は中国の絹や茶が西方へ運び出されるとともに、ブドウやニンジン、ザクロなどの作物が東へと運ばれてきた場所でした。現在も敦煌は、中国の一帯一路構想を支えるゲートウェイとして位置づけられ、世界各地からの観光客や研究者を引きつけています。
訪れる人びとは、莫高窟の歴史的意義や包摂的な文化精神に触れながら、シルクロードをめぐる新たな研究テーマや観光の可能性を探っています。今回の博覧会も、その流れの中で、文化と観光、学術研究をつなぐプラットフォームとなっています。
2016年に始動した博覧会 2025年は2万4千平方メートル規模に
シルクロード(敦煌)国際文化博覧会は2016年に初めて開催されました。2025年の第8回となる今回は、約2万4000平方メートルの展示エリアが設けられ、敦煌に関する最新の研究成果や多様な文化コンテンツが紹介されています。
- 敦煌学(敦煌をめぐる歴史・文化研究)の最新成果
- 各地の伝統文化や現代アートなどの文化芸術
- 無形文化遺産とその保護の取り組み
- 文化を生かしたクリエイティブ商品
一帯一路に関わる国や地域のブースでは、観光地や伝統行事、工芸などの無形文化遺産のほか、その保護と継承の成果もアピールされており、観光と文化保護を両立させる取り組みが共有されています。
日本の読者にとっての意味
今回の敦煌のシルクロード博は、日本の読者にとってもいくつかの点で示唆的です。
- アジアを軸とした文化交流の場が、国際ニュースとして継続的に広がっていること
- 無形文化遺産の保護と観光振興を両立させる試みが、各地で模索されていること
- 歴史研究(敦煌学)と現代のクリエイティブ産業が結びつき、新たなコンテンツやビジネスを生みつつあること
分断が語られることもある国際社会において、文化交流は、対立ではなく共通点や相互理解を見出すためのチャンネルになり得ます。シルクロードの要衝・敦煌で開かれるこの博覧会は、その一つの具体的な姿として、これからも注目していきたい動きだといえるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com







