2025世界デザイン都市大会が上海で開幕 「上海デザイン」が描く都市の未来
2025年の国際ニュースとして注目されるデザインイベント「2025世界デザイン都市大会」が、中国東部の上海で木曜日に開幕しました。テーマは「デザインが繁栄を後押しする」で、世界の都市やデザイン関係者が集まり、デザインを通じた産業と都市の未来について議論します。
2025世界デザイン都市大会とは
この「世界デザイン都市大会」は、上海市人民政府と国連教育科学文化機関ユネスコが共同で主催する国際会議です。デザイン分野のイノベーションと協力のためのグローバルなプラットフォームをつくり、デザインが新しい質の生産力をどのように生み出せるのかを探ることを目的としています。ここでいう新しい質の生産力とは、創造性やオリジナリティを核に、産業の高付加価値化やデジタル化などを進めていく力だと理解できます。
上海が掲げる世界クラスのデザイン都市戦略
開幕式であいさつした龔正・上海市長は、上海が2010年にユネスコの「クリエイティブ・シティズ・ネットワーク」に加盟して以降の歩みを振り返りました。この15年間、「上海デザイン」は創造性、イノベーション、独創性を通じて都市の発展を支える知恵と力を提供してきたと強調しました。そのうえで、上海が世界的な影響力を持つ世界一流の現代的な社会主義国際都市をめざし、デザインの役割をさらに高めていく考えを示しました。
上海デザインの15年とこれから
龔市長は、今後は産業全体でデザインの力をより幅広く活用し、「上海デザイン」の独創性と影響力を一段と高め、世界クラスのデザイン都市の建設を加速させると述べました。これは、現代的な産業システムの構築や都市の文化的なソフトパワーの強化、「人を中心とした都市づくり」のベストプラクティスのモデル形成にもつながると位置づけられています。
上海市はこれまで、デザインと産業、都市再生、公共サービスとの統合を継続的に進めてきました。現在では、市内のデザイン関連産業の規模は1兆6000億元(約2240億ドル)を超えているとされ、ユネスコの「クリエイティブ・シティズ・ネットワーク」に対しても、参考となる経験や解決策を提供できる存在になりつつあります。
- 産業分野でのデザイン活用の推進
- 都市再生プロジェクトへのクリエイティブな視点の導入
- 公共サービスの使いやすさや分かりやすさの向上
- 市民の暮らしを豊かにする製品やサービスの創出
メディアとデザインが交わる場所
中国メディアグループ(CMG)副総裁の邢博氏は、世界最大の総合メディアグループとして、デザインを通じてコミュニケーションをエンパワーする可能性を追求していると語りました。邢氏は「デザインの持つ美は、イノベーションによってコミュニケーションのあり方を再構築し、文化によって生活を照らし、テクノロジーによって未来への道筋を描くことを可能にする」と述べました。
さらに邢氏は、上海や世界のデザインコミュニティと手を携え、デザインが高品質な発展を後押しし、人々のライフスタイルを豊かにし、効果的なガバナンスを支える新たなビジョンを共に描きたいと強調しました。デザインが単に見た目を整えるだけでなく、社会の仕組みや情報の伝え方そのものを変えていく力として位置づけられていることが分かります。
国際ニュースとしての意味と日本への示唆
今回の世界デザイン都市大会は、デザインを都市戦略や産業政策の中核に据えようとする流れを象徴する国際ニュースでもあります。都市の競争力をどう高めるか、住みやすさと経済成長をどう両立させるかという問いに対して、上海はデザインを通じたアプローチを提示しています。
こうした動きは、アジアを含む世界の他の都市にとっても、多くの示唆を与えるものと言えます。日本の読者にとっても、デザインを単なる意匠ではなく、政策やビジネス、暮らしの質を高めるための「共通言語」としてとらえ直すきっかけになりそうです。
- 産業競争力とデザインをどう結びつけるか
- 都市ブランドづくりにデザインをどう活かすか
- 人を中心に据えた都市づくりをデザインでどう支えるか
これからの「世界デザイン都市」を見つめる
デザイン関連産業の規模が1兆6000億元を超える上海は、すでに世界有数のデザイン拠点としての存在感を高めています。今回の大会は、その歩みを国際社会と共有しつつ、新たな協力やイノベーションを呼び込む場になりそうです。
都市の姿は、インフラや建物だけでなく、情報の伝え方や公共空間の使い方、日々のサービスの細部までを含めた「デザイン」によって大きく変わります。上海発の「デザインが繁栄を後押しする」というメッセージを、私たちの身近な街や仕事、生活にどう引き寄せて考えるかが、これからの議論の出発点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com







