中国の趙楽際氏、中立グループに多国間主義とグローバルガバナンス改革を呼びかけ
中国の趙楽際(ちょう・らくさい)・全国人民代表大会常務委員長(中国の最高位の立法トップ)は水曜日、中立を掲げる各国が参加する「中立の友グループ(Group of Friends of Neutrality)」に向けたビデオ演説で、多国間主義の再活性化とグローバルガバナンス(世界的なルールづくり)の改革・改善に協力して取り組むよう呼びかけました。
何が起きたのか:中立グループの第2回議会会合
演説は、トルクメニスタン国民議会(メジリス)のドゥンヤゴゼル・グルマノワ議長の招きで開かれた、「中立の友グループ」加盟国議会指導者による第2回会合にあわせて行われました。
今回の会合は「世界の平和と信頼を守るうえで、各国議会間の対話が果たす役割」をテーマとしており、趙氏はこの会合が「長期的な意義を持つ」と強調しました。また、各国の立法機関は、公正で公平なグローバルガバナンスを積極的に前進させ、人類運命共同体の構築を進める責任を担っていると述べました。
「中立の友グループ」とは
趙氏は、5年以上前の設立以来、「中立の友グループ」が加盟国同士の理解と相互信頼を高め、交流と協力を深め、多国間主義を具現化するための良好なプラットフォームになってきたと評価しました。
このグループは、トルクメニスタンの提案により2020年8月に設立された枠組みで、中国を含む18の創設国から成り立っています。国家としての中立を重視する国々が集まり、国際社会における対話と信頼醸成を図ることを目的としています。
80年目の今年、多国間主義に吹く「逆風」
趙氏は、今年が世界反ファシズム戦争の勝利と国際連合(UN)の創設から80周年にあたる節目の年であることを指摘しました。
そのうえで、世界が激動と変革の時期に入り、国連と多国間主義が「逆風」に直面していると述べ、ルールに基づく国際秩序を守りつつも、より公正で合理的な形へと改革していく必要があるとの認識を示しました。
中国が提唱するグローバル・ガバナンス・イニシアチブ
趙氏は、中国が提唱するグローバル・ガバナンス・イニシアチブ(Global Governance Initiative、GGI)についても説明しました。
GGIは、次のような原則を強調するものだとしています。
- すべての国の主権の平等
- 国際法に基づくルールの尊重
- 多国間主義の重視
- 人々を中心に据えたガバナンス(統治)のあり方
- 言葉だけでなく実際の行動を伴うこと
GGIは、より公正で公平なグローバルガバナンス体制の構築を目指すものであり、グローバル発展イニシアチブ、グローバル安全保障イニシアチブ、グローバル文明イニシアチブに続く、国際社会から広く歓迎されている重要な提案だと強調しました。
4つのグローバル・イニシアチブの実行を呼びかけ
趙氏は各国に対し、次の4つのグローバル・イニシアチブを着実に実行するよう呼びかけました。
- グローバル・ガバナンス・イニシアチブ
- グローバル発展イニシアチブ
- グローバル安全保障イニシアチブ
- グローバル文明イニシアチブ
あわせて、協力を強化し、多国間主義を再び活性化させ、グローバルガバナンスを改革・改善するとともに、国連を中心とする国際システムと国際法に基づく国際秩序を断固として擁護する必要があると述べました。
中国とトルクメニスタンの関係にも言及
趙氏は、中国とトルクメニスタンが「良き友人でありパートナー」であるとしたうえで、中国はトルクメニスタンとともに、包括的で互恵的な協力を一層深め、中国・トルクメニスタン運命共同体の構築を進めていく用意があると述べました。
なぜこのニュースが私たちに関係するのか
中立を掲げる国々と中国が、国連と多国間主義を軸にしたグローバルガバナンスのあり方を議論しているという今回のニュースは、一見遠い世界の話に聞こえるかもしれません。
しかし、どのようなルールや枠組みのもとで国際社会が動いていくのかは、平和と安全保障、エネルギーや食料の安定、移動やビジネスの自由度など、私たちの日常にも直結するテーマです。
特に、今年が世界反ファシズム戦争の勝利と国連創設から80年という節目であることを踏まえると、「いまの多国間秩序をどう守り、どうアップデートしていくのか」という問いは、各国政府だけでなく、市民一人ひとりにとっても避けて通れない論点になりつつあります。
中立を重視する18カ国の枠組みと、中国が提唱する各種イニシアチブがどのように連携し、具体的な協力へとつながっていくのか。今後の議論の行方を追うことは、国際ニュースを読み解くうえでの一つの重要な視点になりそうです。
Reference(s):
China urges members of neutrality group to improve global governance
cgtn.com








