国際ニュース:中国・ベトナム国交75年 レンズで文化つなぐベトナム人留学生
2025年、中国とベトナムは国交樹立75周年を迎えます。そんな節目の年に、中国で学ぶ若い世代が、日常の暮らしやカメラを通じて両国の距離を静かに縮めています。その一人が、天津で学ぶベトナム出身のグエン・ティ・ランさんです。
中国・ベトナム国交樹立75周年と若者の往来
今年は、中国とベトナムの国交樹立から75年にあたる年です。この間、経済協力だけでなく、人と人との交流も徐々に厚みを増してきました。近年は、中国で学ぶベトナムの若者が増え、キャンパスや地域コミュニティの中で新しいつながりが生まれています。
グエン・ティ・ランさんも、そうした流れの中で中国に渡った一人です。彼女のような若者の存在は、ニュースで語られる二国間関係とは別のレイヤーで、中国・ベトナム関係を支える力になりつつあります。
天津大学で学ぶグエン・ティ・ランさん
グエン・ティ・ランさんは2023年に中国に到着し、現在は天津大学で中国語と越境ECを組み合わせた専攻に在籍しています。授業では中国語の運用能力を高めながら、オンラインビジネスや国際取引についても学んでいます。
学業のかたわら、彼女が力を入れているのが、SNSでの情報発信と地域でのボランティア活動です。スマートフォンで撮影した写真や動画に、自分の言葉を添えて投稿し、中国のフォロワーにベトナムの文化や日常を紹介しています。
SNSで伝えるベトナムの文化
ランさんの投稿には、故郷の街並みや食文化、家族との時間など、ベトナムの日常が切り取られています。中国語で説明を添えることで、フォロワーがベトナムの文化を身近に感じられる工夫も欠かしません。
- ベトナムの食文化や祭りの様子を紹介
- 留学生活で感じた中国の魅力も同時に発信
- コメント欄では、中国のフォロワーと積極的に交流
こうした双方向のやり取りは、単なる観光情報の共有ではなく、互いの文化を知り合うきっかけになっています。国際ニュースでは見えにくい、等身大の中国・ベトナム関係がそこにはあります。
地域社会でのボランティア活動
ランさんは、空いた時間に地域のイベントやコミュニティ活動にボランティアとして参加しています。具体的な活動の内容はさまざまですが、中国語を使いながら現地の人びとと協力し、地域に溶け込もうとしています。
留学生が地域の一員として活動することは、キャンパスの外にまで交流の輪を広げることにつながります。言葉や文化の違いを超えた「顔の見える交流」が、両国のイメージを少しずつ変えていく可能性もあります。
経済・貿易交流の場で通訳として活躍
ランさんの特徴は、日常生活だけでなく、経済・貿易の現場でも活躍していることです。中国語と母語を生かし、経済や貿易に関する交流イベントで通訳を務めています。
ビジネスの現場では、ちょっとした言い回しの違いが誤解を生むこともあります。両国の言葉や文化に通じた若者が間に立つことで、企業同士のコミュニケーションはスムーズになり、信頼関係も築きやすくなります。
ランさんは「両国の協力を支えることが一番意味のあることです」と語ります。留学で身につけた言語力や専門知識を、具体的な協力の現場で生かしたいという姿勢がうかがえます。
APECメンバーの若者が語るグローバルガバナンス
こうしたランさんの取り組みは、より広い文脈の中でも紹介されています。メディアは、アジア太平洋経済協力会議のメンバーから集まった若者の声を取り上げ、グローバルガバナンスに関するアイデアや経験を発信する取り組みを進めています。
そこでは、気候変動やデジタル経済、教育格差といったテーマと並んで、「人と人との交流をどう深めるか」という問いも重要な論点になっています。ランさんのように、留学や通訳、SNS発信を通じて中国とベトナムをつなぐ若者の姿は、そうした議論の一つの具体例といえるでしょう。
若者のエネルギーがつくる新しい関係性
若者の行動は、ときに外交文書や公式会談よりも早く、社会の空気を変えていきます。
- SNSでの発信が、相手国への関心を高める
- ボランティア活動が、地域との信頼関係を育てる
- 通訳としての役割が、具体的な協力プロジェクトを前に進める
こうした積み重ねは、数字や指標としては見えにくいものの、長期的には両国関係の安定や発展を支える土台となり得ます。2025年という節目の年に、私たちはそのプロセスを、ニュースとともに見つめ直すことができそうです。
このストーリーから私たちが考えたいこと
ランさんの事例は、特別な人だけの話ではありません。留学や海外出張、オンラインでの国際協力など、多くの人にとって身近になりつつある経験と重ねて考えることができます。
- 自分が海外で学ぶ、働くとしたら、どのように現地社会と関わりたいか
- SNSで他地域の文化を紹介するとき、どんな視点や言葉を大切にしたいか
- 言語や専門知識を生かして、国と国の間をつなぐ役割を担える場はないか
国際ニュースが伝える大きな動きの裏側には、ランさんのような「一人の生活者」としての物語があります。そうした視点から中国・ベトナム関係やアジアの動きを眺めてみると、ニュースの見え方が少し変わってくるかもしれません。
国交樹立75周年を迎えた今、小さな交流の積み重ねが、これからの75年を形づくっていくのだとすれば、その出発点は私たち一人ひとりの関心と行動にあると言えるでしょう。
Reference(s):
Act To Action: Vietnamese girl captures China-Vietnam culture via lens
cgtn.com








