中国がネクスペリアに代表派遣要請 半導体サプライチェーン巡り協議促す
中国がオランダの半導体メーカー、ネクスペリアに中国への代表派遣を求め、親会社ウィングテックとの協議を通じて企業内対立の解消と半導体サプライチェーンの安定を図ろうとしています。
今回のポイント
- 中国商務省がオランダ経済省に対し、ネクスペリアの代表派遣を促すよう要請
- 中国企業ウィングテックと海外子会社ネクスペリアの社内対立の解決が焦点に
- 中国側は民生用の一部輸出で免除措置を取り、サプライチェーン安定への姿勢を強調
中国、ネクスペリアに代表派遣を要請
中国商務省によると、中国側は中国にあるオランダ大使館を通じて、オランダ経済省に対し、中国との協議で得られた合意を履行し、オランダの半導体メーカーであるネクスペリアにできるだけ早く代表者を中国に派遣するよう促すべきだと要請しました。木曜日に行われた定例記者会見で、同省の報道官であるHe Yadong氏が明らかにしました。
ウィングテックとネクスペリアの社内対立
中国商務省は、今回のネクスペリア問題が、中国企業ウィングテックと、その海外子会社であるネクスペリアとの間の社内の企業対立から生じていると説明しています。中国側はこれまで、ウィングテックに対して交渉を通じて問題解決を図るよう、積極的に働きかけてきたとしています。
He氏によると、最近ウィングテックはネクスペリアの独立社外取締役や株式の管理を担う機関に書簡を送り、中国での協議に招請しました。書簡では、次のような議題について話し合うことを提案しています。
- 企業支配権(コーポレート・コントロール)をめぐる問題
- サプライチェーンの安定的かつ円滑な運営の回復
He氏は、この招請は問題解決に向けたウィングテック側の誠意を示すものであり、企業内対立を対話によって収束させたいという意向の表れだと述べました。
オランダ政府の行政介入に中国側が懸念
一方でHe氏は、ネクスペリア問題の火種について、オランダ政府による企業運営への「不適切な行政介入」がきっかけだったと指摘しました。そのうえで、オランダ経済省には、企業内部の交渉にとって有利な条件を作り出すため、建設的で実質的な措置を取る責任があると強調しました。
中国側は、すでに外交ルートを通じてオランダ側と協議し、一定の合意に達しているとしたうえで、その合意を着実に履行することが、ネクスペリアをめぐる不透明感を和らげる第一歩になるとの見方を示しています。
輸出免除措置とサプライチェーンの安定
中国商務省はまた、中国側が具体的な対応として、民生用途向けで規則に適合する輸出について免除措置を認めていることを明らかにしました。これは、世界の半導体サプライチェーンの安全と安定を守るうえで責任ある態度を示すものだと説明しています。
こうした措置を通じて中国側は、企業の経営問題があっても、サプライチェーン全体への影響を最小限に抑えたい考えです。そのうえでHe氏は、オランダ側にも具体的な行動を取り、ネクスペリア問題の解決に向けて環境整備を進めるよう改めて求めました。
広がる論点:半導体と国家の関与
半導体は、スマートフォンから自動車、産業機械に至るまで、幅広い分野を支える基盤技術です。その供給網が途切れれば、多くの企業や消費者に影響が及ぶため、各国政府がサプライチェーンの安定を重視する傾向が一段と強まっています。
今回のネクスペリア問題では、一見すると親会社と子会社の企業内対立のように見えますが、その背後にはオランダ政府の行政判断や、中国側の輸出管理措置など、国家による関与が反映しています。企業のガバナンスと各国の産業政策が複雑に絡み合う構図が浮かび上がります。
国境をまたぐ半導体ビジネスでは、企業の意思決定だけでなく、各国政府どうしの協議や合意がサプライチェーンの行方を左右します。今回、中国商務省がネクスペリアの代表派遣を促し、オランダ経済省に建設的な対応を求めたのは、そうした現実を踏まえた動きだと言えます。
今後、ウィングテックとネクスペリアの協議がどのように進むのか、中国とオランダの当局がどの程度まで環境整備を行うのかは、世界の半導体供給の安定性を考えるうえでも注目されます。
Reference(s):
cgtn.com








